たっくんの中のたっくん

天気の子のたっくんの中のたっくんのレビュー・感想・評価

天気の子(2019年製作の映画)
4.5
ファンタジーをファンタジーとして楽しめる感受性の大らかな方であれば、なお感動できる作品。

序盤にスポンサーの広告企業の商品やCM楽曲などがリアルの中に散りばめられた広告タイムが。
アニメの中にリアルに企業が入り込んで来だした10年前くらいなら、「本物だ!」とテンションが上がっていたが、
それが当たり前な昨今。しかも、前作では『君の名は。』ではそんな事なかったにも関わらず、前作ヒット後の今作でこの演出は少しだけ冷めてしまった。

前半は主人公のキャラクターに掴み所があまりないように感じ、流れのままにストーリーが進んでいってしまう印象だったが、
後半に連れ、主人公の周りのキャラクターが立ってくると同時に、主人公自体のキャラクターが形成されて行く。
というか、徐々に自分が主人公に重なり合っていた。その事で全体のストーリーに没入していました。

「可愛い女の子と特別な出会いをして、名言は出来ないけど密かに恋に落ちて、その子を守る一心で勇気を出して何かに立ち向かう」
といった少年時代の自分が見たら憧れる等身大の主人公像がありました。

同じくファンタジーを現代のリアルに落とし込んでいる作品として
ハートフルな印象・メッセージ性の強くなってきた細田守監督に対し、
ティーンに向けた作風やちょっとのロリコン感オタク感ののある新海誠監督。

この二人が並び立つ事で日本の長編アニメ界は再び最盛期を迎えることになりそうだが、
どんな大人も輝くティーンエイジャーだったのだから
ポスト宮崎駿はやや、新海誠優勢になってきたのか??