柏エシディシ

天気の子の柏エシディシのレビュー・感想・評価

天気の子(2019年製作の映画)
2.0
「君の名は」の時にも感じた、違和感というか居心地の悪さの実体が改めてわかったというか。

愛し合う私たちのためなら、世界を歪ませても構わないし、そもそも世界なんて歪んでいるから関係ないよね、っていう諦観は、まるでアメリカンニューシネマの様だけれど、反体制的で破滅的な矜持よりも、本作からは若さや青さにも届かない幼さしか自分には感じられず。
たぶん、主人公たちに痛みや喪失感が希薄な所為なんだと思うのだけれど。
腐す気は無いけれど、やっぱりこういう作品に若い層を中心に人気が集まる日本という国らしい、と思いつつもさすがにヤバイな、と思わないでもないです。

見慣れた東京の情景を別の角度から切り取られるのは面白かったけれど、勢いを増した新海誠十八番の「つゆだく」演出、音楽演出、エモいシーンで語りがち演出も、なかなか気持ち悪くならないでもなかったので、次は、もういいかなぁ。
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