わたがし

天気の子のわたがしのレビュー・感想・評価

天気の子(2019年製作の映画)
5.0
 ジョーカーもそうだけど、こういうエンタメの皮被ったエゴい映画がちゃんとしっかりヒットしてるって事実にエモくなってしまう。今、街で適当な人に「最近映画館で何観ました?」って訊いたら結構な確率で天気の子、あるいはジョーカーって返事が返ってくるわけじゃん、それってテレビドラマの劇場版ばっかりが牛耳り散らかしてたあの時代からすると本当に最高の時代だなって思いませんか?思いますよね。愛にできることはまだあるんですよ
 劇中にも似たような台詞があったけど、ほんとに朝起きて窓の外が晴れてるかどうかでその日の1日のテンションが全然違う。晴れてたら鼻歌まじりで学校行く準備してたし、雨なら死んだ魚の目をしてた。曇りが一番最悪で「どっちかはっきりしろやボケ!!」と空に向かって叫んだこともあった。そういう思い出と重なって、雨の東京がエモ~くピカッと晴れていくシーンは本当に種類のわからない涙が出る。晴れって最高だな、ずっとずっと晴れてればいいのにな
 ああ、でもそういう類いの願いは実は対人関係におけるエゴと同じなんだなっていう、もっと直球に言うと「かわいい女の子はこうあってほしい」っていう男の欲なんだなっていうのを感じさせられる後半、そっからのあのグランドエスケープのクライマックスなんですよね……なんて気色の悪い、なんて正直で美しい映画。これに感涙せずに何に感涙しろと言うのでしょう!!本田翼結婚しよう!!
 しかも、繰り返しになるけど、こんな倫理と生理ギリギリのラインのクライマックスの映画が(君の名は。効果とは言え)しっかり100億越えて、普段は「新海誠」的なジャンルやカルチャーに「キモくね??」って言ってるような女子高校生(偏見かもしれない)も映画館でちゃんと感動している、デートムービーとしても成立している、その奇跡性込みですごくすごく深い感動に襲われる。やっぱりこの世で最も有効なプロパガンダは映画に限りますね!!本田翼結婚しよう!!
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