トレンティン

HELLO WORLDのトレンティンのレビュー・感想・評価

HELLO WORLD(2019年製作の映画)
3.7
正直、映画だけなら感動より違和感の方が強く、ここまで評価は高くない。見直しても考察しきれない消化不良感が否めなかった。

ただ、京都の圧倒的再現度の高さ(Wi-Fiマークの場所まで同じ)には驚いたし、プログラミング言語を学ぶ時には"Hello, world !" を表示するプログラムから始めることからも表題に反映されているというダブルミーニングも素敵であるし、映画を見終わってからOfficial髭男dism「イエスタデイ」を聞くとどことなく感動できた。

とは言っても、映画を観ただけでは気持ち悪かったので、この消化不良を補うべく、映画本編の後日談を描いた小説「遥か先」とスピンオフ小説「HELLO WORLD if: 勘解由小路三鈴は世界で最初の失恋をする」を読んだ。

すると、評価一変。この映画は「HELLO WORLD if」の前座なんだと気づいた(作者が異なるので、野崎先生にはかなり失礼なことは承知している)。それくらいに「HELLO WORLD if」は素晴らしかった。

映画『HELLO WORLD』を観ておもしろいと思った人もそうでなかった人も、是非「HELLO WORLD if」を読んで、かでのんを大好きになってもらいたいし、実は映画で伝えたかったであろう深部を感じ取ってほしい。
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