養子としてアメリカにやってきた韓国生まれの青年・アントニオが、移民政策の法律の隙間に突き落とされ、家族と引き離されそうになりながらも懸命に生きる姿を描いたヒューマンドラマ。
ブッシュ元大統領が強制退去を政策として開始し、オバマ元大統領が特に犯罪歴のある人を対象に運用を強化したとされている。(トランプ元大統領は移民政策を推し進めた印象が強いが、実は退去数は多くない。)
本作は、養子縁組でアメリカにやってきたケースの移民の強制送還に対する問題提起を突きつけてくる。
個人的に『流浪の月』のように理不尽な境遇を描いた作品が大好物なので、本作も好みだったのだが、本作では主人公に完全に同情できないところがあり、そこが残念だった。
人生の中でひとつひとつ選択できる幸せを感じられ、また、社会問題のケーススタディとしても優秀な良作だった。