えびとまと

HELLO WORLDのえびとまとのレビュー・感想・評価

HELLO WORLD(2019年製作の映画)
4.5

もう少し直実と瑠璃の日常が観たい気もしたけど、そういう二次的な消費者意欲を芽生えさせている時点で商業映画として成功しているんだろうなと思った。現に小説を買ってしまった。

もしこの世界が仮想世界だったら、みたいなSF都市伝説を土台とした青春もの。キミに会いたいから。そのエネルギーだけでどこにでも行けて、何でもできちゃうのは『天気の子』同様、思春期だけのラブパワー。そういったアオハル視点からも楽しめて、馴染み深くも、濃度の高いSFとしても楽しめる。

狙っているのか、キャストも『キミスイ』コンビがメイン。やはり一度恋愛もので共演すると、演技をしていくうえで、より感情的になれるのだろうか、北村くんの声が思ったよりも自然で驚いた。

『世にも奇妙な物語』のようなラストのオチも、納得できる不思議な後味。終わりは始まり。おはよう世界。境の知らない、HELLO WORLD。

というのがどうでもよくなるほど一行瑠璃の存在が大きい。いかにもオタクの理想を詰め込んだヒロインといった印象にもかかわらず、観客を一気に虜にしてしまう。誰もが己の男性性を意識せざるを得なくなる。もう守りたくなる。一行瑠璃と書いてHELLO WORLD。HELLO WORLDと書いて一行瑠璃、といっても過言ではないと、勝手に思っている。一行さん万歳。まぁ、キャラを推し過ぎるのもどうかと思う節もないわけではないけど、今回は目を瞑りたい。
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