みじんコ

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネスのみじんコのレビュー・感想・評価

2.5
【ストレンジ視点とワンダ視点で雲泥の差】

観て来た!
思っていた以上にサム・ライミ映画していて楽しかった!
キャプテン・スーパーマーケット?ダークマン?とのクロスオーバーも見れたし(^^

しかし、ストーリー面ではストレンジ視点で観るのとワンダ視点で観るのとでは評価が大きく変わる。

ストレンジ視点で言うとスティーブンの人間的成長がしっかり描かれていたと思う、EGでサノス打倒の為にトニー・スタークを犠牲にする事を仕方無しと受け入れていた彼の「合理的な考え方」はスパイダーマンNWHでも同じで、マルチバースを修復する為にヴィラン達の犠牲はやむなしと彼は考えていた。

しかし、それを拒絶して(自分の身を犠牲にしてまでも)ヴィラン達の運命を変えたピーター・パーカーの行動がスティーブンにも影響を与え、今回の行動(アメリカを犠牲にする事で解決する問題にNOを突き付ける)に繋がっていたのは「合理を越えた利他的行動 = それがヒーローの資格」を選んだ彼は今作でEGのトニーやNWHのピーターに並ぶ存在になったと思えるし、感動的でした。


しかし、ワンダ視点で観るとワンダヴィジョンのラストで見せた「喪失を受け入れる態度」がひっくり返されていたり(エピローグで描かれていたとは言え)自分のエゴの為に他者の犠牲をいとわなくなっていたりの変貌ぶりには愕然とさせられた。ダークホールドの影響とは言え、ヒドラの洗脳から自己の再生までが丁寧に描かれたバッキーとの差は歴然としていて、製作者側の都合に振り回され続けた可哀想なキャラという印象がぬぐえ無かった。(ホラークィーンを演じるエリザベス・オルセンがとても魅力的だった事を差し引いても)

キャプテン・マーベル、ブラック・ウィドウ、シャン・チー、エターナルズ、ホークアイと、女性の描き方を丁寧に気を使って来たMCUらしからぬ前時代的な「女のヒステリーに皆が迷惑を被り、そんな女には罰を!」といった展開に心底ガッカリさせられたドクターストレンジMBMでした。
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