みじんコ

アリスとテレスのまぼろし工場のみじんコのレビュー・感想・評価

4.0
【40代オタクを刺しに来てる作品】

岡田麿里監督作品は正直今まで共感できない所(そもそも、それって良い話か?感)があって、観賞後もモヤモヤしてスッキリしない作家という印象があったのだけど「まぼろし工場」は今までの作品の中で一番面白かったと思う。

中学生の規範に縛られたまま大人の精神性を持ってしまった主人公達の人生に対する行き詰り感は「恋愛」や「自分の夢」から逃げて「オタク」という終わらない日常に閉じこもっている40代オタクへのメタファーなんじゃないかと思えました。「終わりなき日常を自らぶっ壊す勇気がお前にあるのか?」と、メインの客層を観客を刺しにいってる残酷な作品だな…と。

生々しいキスシーン描写など、オタク向けアニメにしては挑戦してるな~と感じる一方、そこまで止まりで、あの勢いで一気にセックス描写にまで至らない所がまだオタク向けアニメ止まりなんだなぁ…とも感じたり。

でも、この作品で岡田麿里監督は量産型のオタクアニメ制作作家から一皮剥けたと感じたので、今後の作品には注目したいと思います。

しかし「アリス」と「テレス」って何だったん?
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