夫婦と娘、息子の四人家族の前に、突如として彼らとうり二つの四人の人間が登場して、彼らに襲いかかる。幸せを絵にかいたようなそれまでの生活が一変して、血みどろの戦いが始まる。
斬新な設定のホラーだが、それだけに観客は戸惑う。ゾンビやらエイリアンやらが襲ってきたほうがずっと理解しやすい。クローンともいうべき集団はどこからやって来て何のためにうり二つの人間たちを襲うのか。さっぱり理解できないまま、ストーリーはどんどん展開していく。何かメッセージがあるのだろうと途中で気づくがそれが何なのかわからない。もやもやしているうちに映画は終わった。
ピール監督は本作について「私たちが特権を保持しているとき、他の誰かはそのために苦しんでいるのです。つまり、苦しむ人間の存在と富を享受する人間の存在は表裏一体なのです。」という趣旨のことを述べている(wiki)らしいが、作り手は伝えたいことが伝わるようにもっと工夫するべきだ。
父親役のウィンストン・デュークがいい味を出している。優しくて力持ちの男のはずがクローンたちとの戦いでは妻に出し抜かれてしまい面目丸つぶれの父親役を好演している。