良かった。良かったです。
どんな毛色になるのか想像もつかなかったけど、見て良かったと思えました。
見た目や雰囲気が人と違う主人公。醜い。
だが勘が異様に鋭く、悪人を匂いで見分ける。その能力を生かして税関で働いている。気味悪がられてはいるが、有能すぎるが故に立ち位置は安定している。
なんかアンブレイカブルの主人公みたいだよね。ちょっと違うのはその勘みたいなものが極めて動物的であるということ。この正体とは何なのか。
そして颯爽と現れるものすごい雰囲気を放つ運命の相手。
明らかに悪人どころじゃない匂いしかしないので引き止めるが悪人である証拠は何も出てこない。
そして主人公は事情もあり、今まで恋愛というものを心の底から避けていたのに、その拒否感を上回るほどにその人に惹かれていく。
なんかいっすね…笑
「私、他の人と違うから…」という主人公の呟きに、あの自信満々の表情で「人と違うということは人より優れてるってことなんだよ」と断言されて、ん?とは思いつつもなんか救われてしまう笑
人とは違うということに救いをもたらす映画は昔から好きだ。
シェイプ・オブ・ウォーターみたいに純愛映画なのかなと思ったらちょっと複雑な意味合いが入ってきてミステリーにもなってるし雰囲気は完全にホラーだし、面白い。
人にはそれぞれ自分の居場所ってのは絶対あって、ってもうこういう話ほんと好き。
俺も数少ないであろう居場所を大事にして生きていきたいものだ。
どんな人にも救いをもたらしてくれる映画。
でも、自分とはこういうものである、だから良いのである、で立ち止まってていいのか、っていうことにまでこの映画は踏み込む。人をジャンル化しようとする姿勢をとことん否定する。自分は他の人と違う、って考え方もある意味では自分の安易なジャンル化なんだよね考えてみれば。
ジャンルを絶ち切った先にあるものとは。