ジェイD

イン・ザ・ハイツのジェイDのレビュー・感想・評価

イン・ザ・ハイツ(2021年製作の映画)
4.8
今この時代にこういうのが欲しかったんですよ〜!! きっとこれからもサントラを聴くたびに勇気を出せる、自分の生き方とか在り方に自信が持てるようになるかも。

故国に帰りたい者、夢を追う者、差別や学歴に葛藤する者…。多くの移民が住むワシントンハイツでは人々は歌と踊りで語り合う。様々な思いが駆け巡る街に訪れる大停電。小さな夢(Sueñito)を追う若者たちの物語。

元々はブロードウェイで上演されていたミュージカル。なんかけっこう紆余曲折あってやっとの映画化だったみたいですね。ストーリーにおける移民問題は制作期間当時の情勢を踏まえての新たな要素だったようです。リンマニュエルミランダというクリエイターさん?がなんか天才してる。

当時から画期的と評されてたみたいですが、ラテンを交えたヒップホップやR&B、いわゆるレゲトンの曲を使ったミュージカルということで情熱的かつリズミカルな曲が多くて常に楽しめました。この映画本当にずっと歌い踊っていて、体感ではセリフ:歌=2:8くらいだったと思います笑 でも全然飽きたりせず、かつ話の展開もスムーズでした。曲の歌詞が台詞代わりというか、その時何を思うかどうなってるかを歌ってるので曲の中で物語が進んでいるようでした。

みんなの母アブエラが言っていた「ちょっとしたことで尊厳は保たれる」という言葉が印象的でしたが、その尊厳はどこからくるのでしょうか?終盤には移民たちがそれぞれの国の旗を掲げ共に踊るシーンがあってそれはそれは熱く感動的だったのですが、そこにはそれぞれの国への誇りがあったとも言える。
また背負いすぎる尊厳は苦なのでしょう。ニーナはそうした街の期待と大学での生活の辛さの狭間で苦しむことになってました。彼女が最後に選んだ道もそうした覚悟を持った強さを感じられます。

すべての夢追い人、明日から再び歩き出したい人たち全てに見て欲しい作品です。
ジェイD

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