ぬーたん

ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜のぬーたんのレビュー・感想・評価

4.2
9月5日今作を観た夜、心ホンワカで眠りに付いたら、夜中にいきなり地面が揺れた!
まさかの大地震。。
電気も水道も復旧したものの、まだ余震もありビクビクと過ごしておりまする…😢
札幌に来て30年、生まれ育った東京とは違い、地震も台風も豪雨も無縁の地で、のほほんと暮らし、災害の備えは全くしてなくて、半年前に断捨離して、とにかく水もロウソクも乾電池も予備が無く、心臓バックバクで懐中電灯1つで暗闇に居た。
真っ暗な外に出ると星がキラキラ綺麗だった。
そうだ生きているだけで有難いなあ、と星を見ながら思った。

さて、この作品は1960年代のアメリカ・ミシシッピ州が舞台。
まだ人種差別が当たり前だった南部の話。
ちょうど『ドリーム』を観たばかりで、同じような話で女優さんも同じかあと思ったけど、描き方は違って、とにかく面白かった。
黒人のメイドたちがとても良い。
『ドリーム』のオクタヴィア・スペンサー。
迫力があって存在感も半端ない。
最近は高評価作品に出ずっぱり。
メイドとしての才能はあり重宝がられるが、差別に耐えながらも、限界超えるとぶち切れて、反抗的に行動してしまうという、気の強い役。
大きな体で作るチョコレートケーキ・フライドチキン。
アメリカらしいフード。太るわな。
主役のライターのスキーターをエマ・ストーン。
『ラ・ラ・ランド』とはまた違った魅力の役だ。
綺麗という役ではないのでわざとダサい感じの容姿にしてるが、髪がボサボサでもやっぱり可愛い。
家族を大事に思っているが、育ての母と思っているメイドのコンスタンティンを失い、黒人メイドへの差別に疑問を感じ、文章にするために聞き取りを始める。
最初はそうでもないが、段々と情熱的になる辺りも上手かった。
話をするメイドのエイビーンをヴィオラ・デイヴィス。
『フェンス』の時も思ったが、目や表情の演技が上手く、抑えた熱い感情がヒシヒシ伝わって来る。
『殺人を無罪にする方法』の迫力が思い出される(こわっ)
子守りを得意とし、その愛情に胸打たれる。
エイビーンもこんな風にコンスタンティンに育てられたのだろうかと思うと、実母への怒りや差別に対する怒りも良く分かる。
メイドを雇い様々な意地悪な差別をする白人女性側の女優も豪華。
ブライス・ダラス・ハワード、ジェシカ・チャステインは美しくお洒落。
でも憎たらしく、ギャフンと言わせた後の爽快感は、その悪役の演技があってこそ。
アリソン・ジャニー、シシー・スペイセク(わーぉ!すっかりおばあさん)など上の年代も良い。
が、男性陣はほとんど出て来ないし、出てもセリフも少ない。
女性の映画、なのである。

予想通りに進むが、それがまた気持ち良く、スカッとする。
男同士の闘いは暴力的だけど、女同士の闘いは意地悪くて、でも楽しい。
衣装、家の内装、メイドの料理など、アメリカの当時を再現してて興味深かった。音楽も合っていた。
ラストが意外とあっさりで、ちょっと物足りない感じもあるが、余韻を残した。
北大の並木道のよう。
ズンズン進むその先には、一体何があるのだろう。
ぬーたん

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