垣根

窮鼠はチーズの夢を見るの垣根のネタバレレビュー・内容・結末

窮鼠はチーズの夢を見る(2020年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

いつもの友人と日曜日、朝イチの回で鑑賞。

これまで様々なBL作品を嗜んできたけれど、中でも原作の窮鼠〜は自分の中で殿堂入り、群を抜くレベルで大好きな作品だったので、期待値はほぼゼロ(むしろマイナス)の状態で挑んだ。
2人でヒヤヒヤしながら、食わないとやってられねえ状態になるかもしれないから…と言っていつもは買わないポップコーンと飲み物を買う。

始まって5分もしないうちにもうポップコーンを食べる手が止まらない……。待って、サラリーマンってそんな遊び用みたいな真っ白なスニーカー履くか…?
なんでそんなことが気になってしまうのかもわからない…。
物語が最高なことはわかりきってるからなのか、話の展開も全部わかってるからなのか、セットやカメラワークや演出が気になって気になって仕方がない。

バツイチサラリーマンが住む家とは思えない内装に凝ったデザイナーズマンションや興信所の人間が乗るとは思えないレトロ車(目立つ)(エンジン音うるさい)(致命的)
癖の強い謎のアジアン料理(?)の店、めっちゃ存在感のあるエキストラ、あからさまにキーアイテムですよ!と絵に描いたように干されているパンツ、など言い出せばキリがないレベルで色々気になる…。(ごめんけど)

濡れ場シーンもR-18だったっけ!?ってレベルで、お二人ほどの役者さんが体張ってて凄いとしか言えんけどちょっと露骨すぎるし普通にエロく感じない…。いや確かにエロいことやってんだけどエロスがない。
見せりゃいいってもんじゃないし、いろいろ音もデッカイし割と萎える。
ご丁寧な(?)お尻+オイルのカットなんてm●co'sキッチン思い出して笑ってしまったし(失礼)今まで色々見てきたけどここまでの露骨な表現初めてである意味感動した(それは感動ではない)
誰得なのかもわからない女性との濡れ場シーンもかなり尺が長い。

正直ポップコーン買っといてよかった…。
なんだかとても長く感じたし、いつトイレに行こうかと逡巡しながらポップコーンを静かに咀嚼する2時間ちょっとだった。


いや、わかる。一昔前のBLコミックを現代風にお洒落にしたかったことはわかるんだけど、そういうことじゃねえんだ…。

元々漫画を読んだときに感じたことって私たちが生活しているこの社会のどこかで、当たり前に同じように恋愛して葛藤して成長したり傷付いたりしている彼らがいるってことで…。
とある男2人の普通のめんどくさい愛の話なんすよ…。それが泣けるんだよ…。
すごくもっと身近で現実の話なのに逆に綺麗でファンタジーになってしまった感があるというか…。確かにお洒落でエモいのは好きなんだけどちょっと方向性が違う気がする。

とはいえ、展開や流れはほぼ原作に忠実だしむしろもう少し省いて気持ちの描写に時間をかけてもよかったのでは…?と感じた。大伴くんが流され〜というより、ただの女タラシに見えてしまい少し残念…。

元の期待値が低かったからか傷は浅くて済んだし別物として見れば悪くなかったけど、まあ、実写化する必要はなかったかな……でもこれを機に作品が気になった方が原作読んでくれるといいなあ〜

結局、乳首当てゲームしてるシーンが1番楽しそうで最高だった。
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