とむ

フォードvsフェラーリのとむのレビュー・感想・評価

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)
5.0
1917始まったし、IMAXで見に行こうかな〜と思って劇場探してたら大失態。
フォードVSフェラーリのIMAX上映がほぼ終了してるじゃないっすか。

観よう観ようと思いつつ、仕事やらプライベートやらで時間を食いつぶし、
いざ観に行こうとしたらやれパラサイトだやれジョジョラビットだ…
観に行くとしたら今日がラストチャンスと、昨晩チケットを買って劇場に乗り込んだわけですが…

大・大・大傑作。
これはIMAXで観なきゃダメな映画でした。1917持ち越してよかった。
オールタイムベスト級の大爆発。
やっぱ技術者の話は強ぇわ。


アカデミーで音響効果賞と編集賞を獲得しましたけど
「そりゃ獲るわ」ってレベルの映像の猛攻。
息を着く暇がなく、文字通り手に汗握る展開の連続。

この密度と濃さで2時間半とか信じられん。体感90分。
車とか正直毛ほども興味無かったんですけど走ってる車のビジュアル見て鳥肌が止まりませんでした。


ほんでもって実話ベースってのもあり、
ラストがかなりビターな着地なのも含めて完璧な作品だと僕は思いました。

「全然『フォード』VS『フェラーリ』じゃねーじゃん」って感想もちょくちょく見受けられますけども、
そういう単純な二項対立じゃないからこそこの作品は面白いんだと思いますけどね。

そうだよな、現実ってそういうもんだよ。


エンドロールの最中も興奮が冷めやらず、
息が上がっちゃって困った困った。
劇場出てすぐ入ったセブンイレブンで買った午後の紅茶・無糖を一息で飲み干し、
もう一本買いに店内に入りました。


当方、とある業界の技術屋として働いてるんですが、みんな大ブーイングのラストの「アレ」。
商売屋と広告屋が絡むとああいう馬鹿馬鹿しくてナンセンスなやりとりマジであるんすよ!
人間関係度返しにしてよっぽど辞めてやろうかと思ったことが何度あったか。

でも当の被害者でもある彼はどこか達観していて、そんなことより次だよなと歩き出す二人の後ろ姿がとにかくカッコよかった…。
技術者やアーティストが人権もなく踏み潰されるような世の中なら壊れちまえ。


細かい演出の機微とか役者の芝居の凄さ、
編集周りのテクニックとか、語り始めたらキリがない作品だと思いますが、
そんなちまちました話するより単純に楽しくてサイコーな映画だったって感想だけで十分な気がします。

とにかくこれはドデカイ劇場の極上の音響で観られて本当に良かった。
一生物の映画体験になりました。
とむ

とむ