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DUNE/デューン 砂の惑星のクリップのネタバレレビュー・内容・結末

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

Primeにて鑑賞。
砂の惑星…と言えば一般の人、日本人はぼんやりと初音ミクのボカロとか米津さんの曲とかも想像するかもしれないが、我々映画好きだと砂の惑星と聞いたら
デューン…リンチ?となるであろう。
というよりこの砂の惑星は映画界では映像化不可能というか困難と言われてきた作品でもあった。

カルトの王様ホドルスキーが制作を試みるもあまりの物語の壮大さと巨額の制作費に断念し数々の監督が首を横に振ってきた作品でもあり、その壮大さと複雑な人間描写や世界観も設定も超絶めんどくさい作品でマジで映像化不可能と言われてきたんだとおもう。

リンチが唯一、この作品を制作するも物語の壮大さが尺に入らずダイジェスト版みたいになってカルト作品なものの賛否両論の結果におわっているのが現状である。たぶん…宮崎駿、ルーカスはこの作品の構成に刺激され、ナウシカやスター・ウォーズを完成させた気がしてならない。そのぐらい映画界では砂の惑星は難しいとされ魅力的なSF作品として存在していたんだと思う。

そんな難しい中、現在のSF監督の代表格とも言っていいメッセージやブレードランナーのドゥニ監督がやってくれました!! まさかのこの作品に手を出すとは! しかもけっこう忠実に手を出しています! ついにこの作品が世に放たれる形になったわけですが…

内容はというとやはり政治的で複雑な人間描写や世界観の入り組みが初っ端から壮大すぎてなかなか理解できない節がやはりある笑
あと専門用語や主人公の夢の回想的な幻想シーンも含んでくるとすごい分かりにくい所もあるが台詞も勇者だとか託されし者とかあえて隠してる設定も多い。
でもなんでだろリンチ監督よりは何故か物語の進行は理解できるし話し自体はそこまで苦に感じない。
所々に壮大なBGMと共に母船の描写や砂漠の映像が挟んできて美しく幻想的なシーンで魅入ってしまう。ここはさすがドゥニ監督SF映画の力量を感じます!

政治的や軍事的な描写を除けば、まぁすっごいざっくり分かりやすく言うと砂の惑星にある砂。スパイスを求めた2大勢力、現地住民での略奪戦争だと思う。
そこに主人公の末裔?宇宙皇帝との繋がり?などが絡んできたりするんだと思う

そしてこの本編を観てもやはり2時間程度ではこの壮大な物語に完結がやはり出来なかったですね笑
なので本作は伏線を張った序章であってまだ完結はしないので注意して頂きたい
いちおうパート2は今年23年度になってはいるが、どうなるんだろ
個人的にはパート3までの三部作になるであろうと読んでいます。

けっこう描写も丁寧に描かれてる為かスローペースに進んでいくところもドゥニ監督らしいといえばらしい。
リンチ監督はダークな感じを残しつつ物語をさくさく進んでいったような気もします。というかリドリー監督のブレードランナーと時期が何となく重なってどうしてもブレードランナーに注目しがちな時期だったわけでリンチの砂の惑星があと10年ズレてたら評価が違ったのかなぁ…と。

そんなリドリー監督もこの砂の惑星の制作をもちかけられた時に首を横に振った監督のひとりだったような気がします。すみません、ここは確証が持てませんが確かそうだったような…
どちらにせよ皮肉な感じに。ちなみにホドルスキー版は音楽にピンク・フロイドデザインにギーガー、上映時間10時間以上の超大作になる予定だった訳で、これが実現していたら大変な事になってましたね。

ちなみにその制作を元にもう一度脚本を練られ制作されたのがあのエイリアン。監督はリドリー。
もうこの時点でリンチ監督がそうとうこの作品には苦労する運命が見えていた訳でやはり皮肉である。

そんな歴代の監督を苦しめた、この砂の惑星デューンを完璧に公開したドゥニ監督はやはりすごい!
SFのセンスというか目のつけどころが尋常でない。
でもこの監督で良かったと思うし、現時点でドゥニ監督しかいないし個人的にはSF作品を手掛けるこの監督好きなので本当に良かった。
たぶん現時点でまだ完結はしてないがめちゃくちゃ面白い作品になると思われます!こんなに次作に期待を込めるのは旧スター・ウォーズ、ルーカス時代以来です!マジで楽しみ!
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