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ペトルーニャに祝福をのmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

ペトルーニャに祝福を(2019年製作の映画)
3.3
北マケドニアの小さな町を舞台に、女人禁制の伝統儀式に参加してしまった女性が巻き込まれる騒動を、男性社会への皮肉と風刺を込めて描いたドラマ。
監督は旧ユーゴスラビア(現・北マケドニア)出身の女性監督テオナ・ストゥルガル・ミテフスカ。
原題:Gospod postoi, imeto i’ e Petrunija 、(英)GOD EXISTS, HER NAME IS PETRUNYA(2019)

主人公のペトルーニャ(ゾリツァ・ヌシェバペ)は、32歳。美人でもなく、体型は太目、恋人もいない。
大学まで出ているのに、学んだ歴史を生かす仕事はなく、今までウェイトレスのバイトしかしたことがない。
母親(ビオレタ・シャプコフスカ)がツテを使って臨んだ面接でもセクハラに遭った上に不採用となる。
その帰り道、地元の女人禁制の伝統儀式に遭遇する。それは、司祭が川に投げ入れた十字架を男たちが追いかけ、手に入れた者には幸せが訪れるというもの。
ペトルーニャは思わず川に飛び込み、その“幸せの十字架”を手に入れ、混乱に紛れ逃走する。
伝統儀式への冒涜だと男たちや母親から猛反発を受け、法律を破っていないのに警察に連行され取り調べを受けてしまう。
警察所長や司祭(スアド・ベゴフスキ)は十字架の返還を求めるが、ペトルーニャは、自分が獲得した、自分のものだと、頑として応じない。
やがて、儀式に参加した若者らも暴徒化して押しかけてくる。

~その他の登場人物~
・女性の立場からペトルーニャの味方をしようとするリポーターのヴィッツァ(ラビナ・ミテフスカ)
・ペトルーニャに共感していく若い警官ダルコ(ステファン・ブイシッチ)

"狼と羊のお話"

どのように収まるかは、観てのお楽しみ。
キャッチ・フレーズは「私だけの十字架を探して」。
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