ギズモX

サイダーのように言葉が湧き上がるのギズモXのレビュー・感想・評価

4.0
今年最後のレビューはこれ!

ちょっとコミュ障な俳句好きのヘッドホン男子と容姿にコンプレックスを持つ出っ歯な人気ストリーマー女子が、ど田舎の大型モールで出会い恋する青春ボーイミーツガール夏アニメ。

27日に想像を絶する量の雪が降って、ここ数日間雪かきに追われている自分にとってはギャップが激しすぎる作品だ。

数年前までならこの映画に全く感情移入できなかっただろうし、関係ないやと無視していたことだろう。
僕も他人に思いを伝えるのが苦手なほうで、加えて他人に自分の声を聴かれたくねえと思うところがあって、ネットとかで他人と繋がることに凄く戸惑っていた。
でも、映画のレビューや映画雑誌を読むのは昔から大好きで、ある時(自分にもできるのではないか?)的な気持ちが大爆発。
それがきっかけとなり教会での映画観賞会や今のこの活動にへと繋がっている。
話し方文章へたくそでもいいや、行ってみよう。
あの時のそんな気持ちが蘇ってくる作品だった。

それと、この映画は作風がもの凄くノスタルジックで、その使い方が自分に合ってる。
僕はノスタルジーな描写は現在を彩るためのものであって、(あの頃は良かった)的な過去を強調させたり、戻らせるために使うのは間違ってるんじゃないかと思っている人間だ。
それが原因で『オトナ帝国の逆襲』とか『スタンドバイミードラえもん』とかは無茶苦茶ニガテなんだけれど、
この映画は、技術だけは発展してるけど、それ以外は昔からさほど変わってない田舎特有の雰囲気がいい具合にでていて、これが自分に合っていた。
一番良かったのが、八月に入るまでに導入される日常シーン。
画面分割を駆使してたり、セリフなしの音楽だけで表現されていたりとアートチックで超フレッシュ。気分爽快。
学校生活を映さなかったのもグッドポイント。

だけど、最後がちょっと惜しかった。
トレードマークを捨てちゃうのはもったいない。
ヘッドホン男子、マスク女子、僕はいいと思います。

ではここで僕も一句。

豪雪や 道なき道に 愚痴こぼす

みなさんも雪には気をつけてくださいね。


ちなみに、僕の今年のオールタイムベストはこんな感じでした。

1位 アメイジンググレイス アレサフランクリン
2位 イージーライダー 午前十時の映画祭
3位 マトリックスレザレクションズ 4DX
4位 トゥルーノース
5位 アメリカンユートピア
6位 リスペクト
7位 サイダーのように言葉が湧き上がる
8位 スペースプレイヤーズ
9位 必殺!恐竜神父
10位 フィールズグッドマン

特に言いたいのが1位の『アメイジンググレイス』
鑑賞中何度も(これはすげえわ!)と思わされた、ライブ映画の傑作。
『リスペクト』はこれの序章に過ぎない。
とにかく終始圧倒された1時間30分だった。
来年あたりで教会で大爆音上映やってみたいなあ。
どうなるか分からへんけど。
レビューはそれまでとっておく予定です。

それでは皆さま良いお年を😊

【追記】

漫画版三巻のフジヤマとさくらさんのエピソードもとても良かったです。
ギズモX

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