黒川

チャイルド・プレイの黒川のネタバレレビュー・内容・結末

チャイルド・プレイ(2019年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

1ミリも期待してなかったら普通に面白かった。ただしチャイルドプレイではない。でもオリジナル観てからもう一回大きな画面で観たい。

ー子供には親友(バディ)必要だーこのキャッチコピーのもと売り出されたのがバディ人形だ。グッドガイちゃうんかい。引っ越してきたばかりで友達の少ない息子を案じた母は、勤め先で返品されたバディ人形を息子の誕生日プレゼントにするが…という感じでこの辺はオリジナルとほぼ一緒。決定的に違うのは、グッドガイ人形がただの大きなお人形さん(にヴードゥーの呪いで殺人鬼の魂が乗り移っている)だったのに対して、バディ人形はAIが組み込まれ、ネットワークを介して同社製品の遠隔操作が可能なハイテク機器というところ。専用アプリで録画できたりテレビつけたりエアコン入れたりルンバとか操作できます。神出鬼没なバディ人形も怖いっちゃ怖いんだけど、どちらかといえばそういう現実味がありすぎるハイテクへの恐怖が強い。テクノロジーへの依存と大量消費(これオリジナルにもある要素)への警鐘を鳴らしつつ、人間を大量消費していくよ。皮肉。本当の1984年はまだアナログだったけど、現代人は十分ネットとかポイントカード作ったお店でこういうことされて生きてるんですよ。あとルンバはどこでもドジっ子設定あるんだね。なんの話だ。

話を物語に戻すよ。オリジナルのチャッキーは心霊的な要素だったのですが、今作はまさかのベトナム工場でイジメられた社員がプログラムをいじってロボット3原則を守らないお人形の完成っていうSFな存在になっていました。工員さんがクビになったらまた路上生活だと脅されていましたが、路上生活してた人がそんなことできるとかどんだけ優秀だ。ベトナムでもそんなことが起こっているのか…と悲しくなりつつ、ていうか普通に考えて組み立て工場でそんなことできへんやろ。これはロボコップリブートの悪夢再来…と乗っけからテンション下がってたんですけど、進むと普通に面白い。キャラクターがなんだかんだ魅力的で一人ひとりちゃんと個性があるのが良かった。

元ネタがわかると楽しいギミックがたくさんあって、本作はそれが最高。チャイルドプレイじゃないよこんなの!!と思う部分もある反面、オリジナルをリスペクトする部分と新時代の人形ビックリホラーとして再始動する部分が共存していたと思います。それ以上に感心したのがいろんな80年代ホラーへリスペクトがこれでもかと詰め込まれているところ。まさかこんなところで悪魔のいけにえ2見ると思わなかった。あの辺からこれはそういうノリの映画だよ教えてくれる親切設計。その後もいろんな名作へのオマージュであれはアレでこれはアレか!?っていうのができて楽しいです。もう一回色々おさらいしてから観たい。それと、ゴア描写が気合入ってて良かったです。最近こういうメジャー作品だと少ないようなエグいことをやってくれるのは嬉しい。でももうちょっと臓物見たかったかも。キャラが立ってる人をソコソコ容赦なく殺すところも良いんだけど犠牲者がおばあちゃんとネコチャンなのは悲しい…デニス植野似のおっさんがとばっちりすぎる。

あと最後に、チャッキーメンヘラすぎひん?
あともう一個、プリモプエル思い出した。
黒川

黒川