3Dで見てナンボのタマキン浮遊映像集だろぐらいの気持ちで観に行ったら、いやいや良かったですよこれ。
「全く興味のない競技」かつ「全く知らない人物」のドキュメンタリーにしては異例の釘付け度。
映像が異常に美しくて、壮観で、そして恐ろしく、畏ろしかったです。
最後の登ってるとこなんか、BGMすら余計に感じてしまった。
リアルに一寸先に死ぬかもしれない状況。
よく劇映画の描写であるけど、足場の岩がボロッ！って崩れたりしたらガチで即死、衝撃映像になるやつ。
単なる命知らずの冒険野郎なのかと思いきや、意外にもちゃんと（？）死を恐れていて。
一手一手が綿密に計算されており、入念なリハーサルに基づいているという。いや、そりゃまぁ失敗＝死なわけで、当然っちゃ当然ですけど。
しかしそうは言っても、あんな小さな凹凸（とも認識できぬほど微かなもの）を頼りにどうしてあのツルツルの断崖絶壁に貼り付いていられるのか...サッパリわかりません。
あと何故あんな所に着ぐるみ姿の人がいるのかも笑
案外語られない「撮影する側の苦労や葛藤」も同時進行で捉えているのがまた良い。
登る主人公のメンタルは常人にはどうにも理解し難いけれども笑、撮影隊の葛藤はストレートに刺さりました。
エンドロール後に無音で
「アレックスはこの翌年、○○で滑落死した」
って出るパターンなんじゃないかとドキドキしましたが、それもなく、あとでインスタみたらご存命のようで、安心しました。
でもこういう人って、いつの日か「やり切った」と満足して、無事に引退する日は来るんだろうか...？
