ひでやん

スキャンダルのひでやんのレビュー・感想・評価

スキャンダル(2019年製作の映画)
3.5
TV業界の帝王にぶっ放すキャスター砲。

全米最大のTV局FOX内で実際に起きたセクハラ事件を題材に描いた女性たちの戦い。いつの時代にもどこの企業にもある問題だが、ジャニーズ事務所が騒がれているタイミングで鑑賞し今、どうしてもその事が頭に浮かんだ。

ジャニーさんが墓場まで持っていった後、その墓を掘り起こしているでしょう、どこまで掘るのやら。なんで生きてるうちにしなかったんだ?て思ったわけですが、今作で描かれた女性キャスター同様、声を上げるまでには時間がかかるって事なんだよね。

女性に猥褻な行為をして仕事を失った俳優が何人もいるけど、企業の中では逆に女性が仕事を失う。最初の被害者は無力で、「私も」という味方の声が集まってようやく力になる。しかし、その声は元気玉のようにはなかなか集まんない。被害者と加害者という関係だけで片付けばいいんだけど、「成功のため」と「叶えてやる代わり」という関係性が複雑。

「視覚メディア」と言う脚フェチロジャー。女性の美は視聴率を上げる武器となるが、同時に性的な目を向けられる諸刃の剣となる。CEOの座からTV業界の帝王を引きずり落としても、決して逆らえない絶対的なその座がある限り、セクハラ、パワハラ問題は無くならないんだろうな。

実在する人物に似せたメイクや髪型、衣装などは見事。シャーリーズ・セロンとニコール・キッドマンは本物のキャスターに見えた。そして、マーゴット・ロビーは相変わらずキュートだった。
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