MISSATTO

ラストナイト・イン・ソーホーのMISSATTOのレビュー・感想・評価

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会場が明るくなった時、客席がほぼ男性だった。
だから、これはエドガーライトが男性に向けたホラーなのだと…私は思いたい。
映画好きとして見に行ったことを後悔はしてないけど、でも、女という性別に生まれたこと(そしてその性でこの日本に生きてること)の運の無さに悔しくなる映画だったことは確か。
鑑賞後の帰宅時、ずっと呆然としていたし、何かのシーンや映像が浮かぶでもないのに、不意に嗚咽が込み上げてきて耐えるのが大変だった。

すごく評するのが難しい映画。
後半は特に、まるで証言ドキュメンタリーを見せられてるかのような苦しみがあった。
恐怖心が呼び覚まされるのではなく、ただただ過去の記憶と現実問題として苦しくなって終わった。
ラスト、救いとするにはあまりに浅く短い。

事前に、男から性的行為を強いられる描写が繰り返されるとの情報は得ていたが、性行為描写そのものはなく、そこに蠢く恐怖心をホラー描写に転化されていて、その点やはり現代だからこそ出来た映像表現だと感じた。
だからこそ、女性の中に蓄積されていく恐怖心が本当なら分かりやすくなるはずなのに…
感想を読むと、見て見ぬふりなのか、本当に分かっていないのか……
特に「美しいホラー」とか褒めそやすばかりの評価を見ると、あ〜伝わってないんだな、という絶望感に襲われる。
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