NEWおっさん

ラストナイト・イン・ソーホーのNEWおっさんのレビュー・感想・評価

3.5
「60年代ロンドンの光と闇」

「ベイビー・ドライバー」のエドガー・ライト監督の最新作。ロンドンに上京するも上手くいかない主人公が、ある部屋を借りて見た夢の中の少女、サンディに影響を受けて徐々に頭角を現してくるが…。

「ベイビー・ドライバー」とはまた打って変わってホラーっぽい作りになっている。夢と現実が段々とシンクロしていく展開で、夢の中は60年代ロンドンの煌びやかな演出があって一見華やかではあるが、光もあれば闇もあるわけで段々と夢の中の少女も落ちていく。夢の中がそうなったら現実でも色々と幻覚を見るようになり、主人公がドンドン壊れていく。

幽霊やホラーオチみたいな有耶無耶になる感じじゃなく、ちゃんとサスペンスとしての体を為していてスッキリと終わる流れにはなるが、正直犯人が判明してもサプライズ感は無かった。怪しすぎるニアミスみたいな人物も用意されてるし、そこは予想の範囲内って感じだったな。

映画全体に伝わるファッションや60年代の街並みなど、演出や背景はメッチャ良い。その雰囲気に飲まれて見てる間は面白く感じたが、振り返ってみるとそんなに言うほど心にくるストーリーでも無かったな。いわゆる雰囲気勝ちみたいなトコロがある。この監督のそういうセンスは好みなんだがな。正直前半とかは退屈な部分もあったし、もうちょっとこの世界にノリたかったかな。