ファッションデザイナーを目指してロンドンに出てきた地味な女の子(トーマシン・マッケンジー)が、ソーホーの屋根裏部屋に下宿することになり、夢のなかで「憧れの'60年代ロンドン」に迷い込んでしまう話。
ウディ・アレン「ミッドナイト・イン・パリ」を思わせる導入。
主人公は、歌手志望の女の子(アニャ・テイラー=ジョイ)に出会い、めくるめく大人の世界に引きずり込まれていく。前半はめちゃくちゃ面白い。
タランティーノ「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」のように「憧れの時代」を箱庭的に再現した、情報量の多い映画であり、当時のサウンドもあいまって、スウィンギング60'sの雰囲気を堪能できる。
ところがちょうど中盤から、アレレと思ったのだが、物語は中途半端なサイコホラーになり、ミステリーのような幕切れに。ここが賛否の分かれるところだろう。
これたぶん、あの時代にも暗い側面があったということを、当時のダサいホラー仕立てで表現しようとしたのだと思う。
また「Me too」というか、女子同士の連帯感みたいなテーマも含まれてるのだろう。ただ、やりたいこと多過ぎて、さばき切れなかったのかなー...という印象。