ひゅうどんこ

シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢のひゅうどんこのレビュー・感想・評価

4.2
🇫🇷原題 :『L'Incroyable histoire du Facteur Cheval』

 日本語以外の言語を理解出来ない私が、字幕吹替なしの外国映画に挑戦してみる、#映画は言葉の壁を越えれるか試してみた、、の17本目。

前回視聴 2021年12月 YouTube フランス語(?) スマホ



 「最近○○にハマってて〜」と言う時のきっかけなんて、ある日突然降ってくるなんてことも少なくない。
しかし、この人のハマり方は尋常じゃない。

妻子にすら意思伝達出来ない不器用な郵便配達員 ジョゼフ・フェルディナン・シュヴァルが、コツコツたっぷり時間をかけて、器用に宮殿造りに励むこと33年、2年のインターバルを経て、終りなき沈黙と休息の墓造りに8年、実は40年あまりかけてようやく理想の家族のお城が完成したのだ。

元々パン屋に丁稚奉公に行ってて手先は器用だったみたいなのだけれど、
「娘の為にと家族の記念に、会話やプレゼントの代わりに作り始めて気づいたらお城出来てました」って、、、ねーわ!
自分に愛する家族がいたとしても、3ヶ月ももたずに心折れる。


 田舎も田舎の風景が常にバックにあるものの、田舎ものの私ですら、美しいと思ってしまうシーンが目白押し。

だが、私が最も驚いたのは、配達の仕事から帰宅してから創作宮殿に取り掛かってた彼が、仕事で42km以上歩いた{※①}後にやってたということ。

私も高校時代の3年間に片道26kmをママチャリで通ったが、とても真似なんて出来ない。
彼がもし現代に生きる人であったなら、あのバークレイ・マラソン{※②}すら、ちょちょいのちょいだったかもしれない。


 主役を演じたジャック・ガンブランの老け役というか黙ってる人っぷりが、ホントに素でやってるように見えたし、奥様役のレティシア・カスタも、世間のイメージとは真逆{※③}の支える妻を好演してた。


 黙々と独り造り続けたジョセフさんにもびっくりだが、長年支えた奥様と、里子に出された前妻との間にできた息子くんも称賛したい。

入場料6.5€≒955.25 円 (10月30日 1:59 UTC現在) なり。
フランス旅行に行かれる方は、ちとアクセスが難しそうだけれども、是非ともチャレンジを!
現地からの絵ハガキ待ってまーす  ̄ー ̄)ノ彡🇫🇷



 バニラさん、こやちさん、あかつKぁさん、えいがうるふさん、ぼけっと映画さん、皆さんの素晴らしいレビューに感謝です。

特にぼけっと映画さん。
失礼ながら、あなたの寡更新/決して万人受けなど微塵も望まない/短文レビューが鑑賞の決定打になり、10ヶ月たってやっとMark!することが出来ました。

この作品を最後に更新が途絶えてますね。
心配しておりましたが、交信は途絶えてなかった。。7月に『ファントム・オブ・パラダイス』に書き込みに来てくださって、とても嬉しかったです。
またレビューの更新を再開されますこと、コメントのやり取りが出来ますことを愉しみにしております。



─────脚注・備考・その他─────

{※①}
La tournée du facteur Cheval — Google Arts & Culture
https://artsandculture.google.com/story/3AXBNiCxW2SCXg?hl=fr
郵便配達員シュヴァル氏が歩いた旅

{※②}
世界一過酷な山岳レース「バークレイ・マラソン」36年の歴史で完走者15人のみ!悪魔の所業と言われるレースの実態【ゆっくり解説】
https://youtu.be/XVeHy8RsC7Y (20:16)

{※③}
・2018年 フランスの高級宝飾品ブランド、ブシュロンのメゾンアンバサダーに就任
・2000〜2003年 フランスの共和制及び自由の象徴とされ国中の至る所にあるマリアンヌ像のモデルに選ばれた