まりぃくりすてぃ

主戦場のまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

主戦場(2018年製作の映画)
2.3
「USA国民」「男性」「大戦を直接経験してない現代人」───ミキは宿命的にそういう立場にまず、いる。「原爆落としたり枯れ葉剤使ったりメチャクチャ言いがかり戦争を次々引き起こしてきたアメリカ自身のことを棚に上げて旧日本軍のことをあれこれ言う俺って、どれぐらい正しいかな?」とか「慰安婦の件は、国対国ってよりも、広く男たちが女たちを虐げたってことだよな。俺の中にも当然ちょっとぐらいはレイプ願望とかあるしな。だって男の子だもん」とか「現代の視点だけで過去を裁くのも本当はフェアじゃねえかも。今現在南アジアでやられてるアシッドアタックや中央アジアの誘拐婚やイスラムの国々の “名誉殺人” とかレイプ被害者への石打ちとか女子割礼その他世界中で昨日も今日も明日も途切れることないレイプレイプレイプ差別差別差別抑圧抑圧抑圧、、そういうの全部セットで改めなきゃ意味なくね? 韓国は儒教と男子徴兵制のせいで男が女を今もって差別的に扱ってるっていうし、中国じゃ前世紀初頭まで纏足強制骨折なんていう野蛮なことやってたらしいし。あ、ヨーロッパにもコルセットや金属製貞操帯や魔女狩りがあったっけ。でも、、フェミニズムはフェミニズムで何かやっぱウゼエや」とかいろいろいろいろ思いを巡らせた末に、、、、、、、、、「とりあえずだ! 僕ミキ・デザキは、こういう意見の持ち主です」って最初に宣言しておけばもっとよかったかもね。顔をさらして正面向いてさ、「僕はこれからお見せお聞かせする論争の片一方に与するつもりはない。が、反知性主義にだけは抗っていく。さらには、知行合一を最上としたい。悪を糾弾するだけでなく、僕自身の中にも同じ悪の根がないかどうか常にまさぐりたい」!!!!!

日本国民で女で現代人の私は、新たな情報を特に含んでるわけじゃないこの映画の鑑賞の前も後も、慰安婦についての考えは変わってない。彼女らを今すぐにでも天皇皇后が「本当にごめんなさい」と土下座でもして抱きしめるべきだと思う。もしも日本国内でごちゃごちゃそのことに文句つける者がいたら、不敬罪で逮捕すればいい。終身刑だ。それでなくとも私の可愛い「愛子」に文句ばっかりつけてる櫻井、あんたは女性の敵だし日本人の敵だよ。
だけどね、生存する諸外国元慰安婦にまともな補償をしていくために破綻済みの日本の財政がさらに逼迫汲々して「消費税25%にアップ」とかになったら、「何であたしがそういうことに起因して苦しまなきゃいけないんだよバカ! あたしは何も悪いことしてないんだよクソども! こうなったら世界中のすべての男から男税を徴収してそこから補償金捻出すりゃいいんだ。もしくは、国際法違反の原爆投下の罪滅ぼしでアメリカに天文学的な賠償金支払わせることとセットにしろ!!!!!」と当然の主張をすることになる。パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ(大拍手、二分以上やまず)
自虐史観はもちろん嫌い。学者(俵さん?)が何の迷いもなく「侵略戦争」って言葉を使ってたけど、「どの戦争のこと言ってんの? 日中戦争は100%侵略戦争だし、韓国を併合したのも侵略そのものだけど、日米戦争はただの帝国主義国間の争いじゃん。ちゃんと整理して物を言ってよ」という私の意見がもちろん知性において勝る。だって、どういうふうに調べていったって、それが事実だもん。第二次世界大戦はけっして善対悪じゃなかった。ポーランドをドイツとソ連が左右から攻めたのが発端。
歴史修正主義って言葉も、噴くよ。不完全な歴史認識知識しかない者が学者もふくめてほとんどなんだから、歴史は常に修正に修正を加えていってより確かなものへと近づけていくべきでしょ、もちろん。だからミキは「修正主義」なんていうプラスチックっぽい言葉は遣わずに、もっと「反知性主義的言動、しかも人には厳しく自分に甘い、言行不一致な滑稽人たち」って呼んでやればいいんだよ。櫻井や杉田をね。

さて、櫻井さん、あんた、意外に優しい、リラックスした(風呂上がりみたいな)顔してるね。あんたは日本人の誇りなんてなく日本を永久にアメリカの属国としてヤクザ主体の茶番国家でありつづけさせるために中韓朝露の悪口を言って言って東アジアにずーっと緊張関係が続くよう仕向けることを主目的に生きてて、それによって太平洋の向こう側に引っ込んでるべきアメリカが永久に東アジアの調停役リーダーとして必要♡プレゼンス必要♡っていうドラマを向こう百年つづけさせるそのためのCIAの操り人形だ。日本の国益を損ねてることで国家反逆罪、愛子をバカにしつづけて平成天皇の平和の心を踏みにじりつづけたことで不敬罪。でも、穏やかな、いい顔してるね。くたびれてる感じがとてもよかったよ。つらかったら、そろそろ引退してね。バイバイ。

杉田ちゃん。あんたは、もうちょっと華やかな姉ちゃんだと思ってたけど、汚い顔してるね。醜いおでこ。口紅ぐらい塗ったら? あんたの言ってることはメチャクチャだよ。説得力マイナス100%。櫻井と比べて小物だね。特に、喋り方がすっごく下品で、頭悪そうで(実際頭悪いけど)、観てるあたしは体温が下がってくるようだったよ。
でもね、杉田、あんたの気持ちは、正しいよ。逆説的にじゃなく、素直な意味で。この映画の中で、あんたの気持ちが一番、人の気持ちっぽかった。すなわちね、「慰安婦慰安婦慰安婦って、私はそんなこと信じません。信じたくありません。信じたくないからそんなのは嘘です!」という、全世界からも宇宙からもバカにされるようなあんたの言葉は、論争すれば誰にも必ず負けるものだけれども、そういうメチャクチャな言葉にこめられた杉田、あんたの「気持ち」は、ものすごく本物だよ。つまり「私は、好きでこの国に生まれたんじゃないの。生まれた時から日本人なの。その日本が、何でよその国々から責められなきゃいけないの! そういうの嫌いなの! 私は日本人だから、日本が悪く言われるのはイヤなの! イヤだと言ったらイヤ! それだけ! あーもう、うるさいうるさい」────それでいいんだよ、水脈! そこで泣きなさい。どんなにメチャクチャな論理でも、泣きべそかいて幼児のように訴えれば、それ聴いてる大人たちは、何かに気づく。つまり、ガキにも言い分があるんだと。つまり、杉田っていうガキ女が泣きながら訴えてることには必ず一つの真実があるんだと。どんなにムチャクチャな言い分しか持たない者であっても、泣きながら訴える「気持ち」そのものは、必ずしもすべて間違いではない。もしかしたら、日本を永遠の敵国扱いしてる1945年以降の世界秩序自体に、重大な原因があるかもね。。
てことで、杉田が我々に感情で訴えずにバカ論理とバカ声で押してきたことは、杉田自身の痛恨のミス。もう彼女には復活のチャンスはないだろう。。。

さて、ラスボス! 日本会議の「韓国は可愛い国じゃないですか。大好きですよ」のオッサン。あんたは最高だったよ。言ってることも、かなり正しいしね。
「みんな、なぜ慰安婦、慰安婦って、そんなことに大騒ぎするんですか? ポルノ的な興味があるんじゃないですか?」 →→ 意外に的を射てる。だって、もしも女子挺身隊たちが例えば連日18時間ぐらい皿洗いばっかりさせられて手の皮がボロボロになっちゃってそういう酷使を訴える人たちだとしたら、ここまでみんな興味は持たない。性奴隷っていうセンセーショナルな素材に、男はみんなかすかであっても劣情をそそられるだろうし、女もたいていコワイもの見たさを刺激されてることは間違いない。その上で、理性や思いやりや義憤や共振の心が彼女たちの痛苦を何とかしてあげたいと願うのであって、根っこの部分にはポルノ的な魔力があるのはこれは誰も否定できないと思う。(実際、韓国には「従軍慰安婦」というAVシリーズがあった。)
しかし、このラスボスのこの部分は、論理としてはかなり正しいが、それを言わせた心は単に冷酷さでしかないので、誰の共感も呼ばない。私のも。
次に、「日本が戦争に勝ったから、アメリカが日本を妬んで」云々の、最ショッキング発言なんだけど、正直、ここに大騒ぎする観客は、私からみればおかしい。ここは、ミキが「今のご発言は、言い間違いじゃないですか? 日本は戦争に負けましたよね?」と訊き返さなきゃいけなかった。単なる言い間違いなのか、本当に日本が勝ったと思ってるのか、それとも何かほかの重大事を言うための修辞だったのかを、映画がしっかりと明かして、その先へと進まなくちゃいけなかった。それを怠り、その問題発言だけを編集でリピート。
これは、下品なやり方だ。ミキは悪いやつだ。ことによったら本作の最大の核心部分(日米関係にも触れてるわけだから)に直結するとともに主題的にもクライマックスになりそうな言葉だったのに、単に娯楽映画を形成しただけ。何のためにこの映画作ったのか私は理解できなくなった。
「嘘をつくのが悪い/騙されるのが悪い」あたりのぶつ切りも、タチが悪い。ここは、櫻井たちが気の毒だよ。生きる価値のない虫けらのような櫻井でも、最低限、虫として丁重に扱ってあげないといけない。私はこの編集に、賛成できない。

ミキのやり方は悪いよ。悪い。既得権益保守側の走狗や傀儡である“右”のやつら一人一人は、丁寧にインタビューとかで論駁していけば必ず崩れる、それぐらいにバカな論理性しか持ってない。だから、ことさらに騙し討ちみたいなことしなくったって、カンタンなやりとりを二つ三つ重ねるだけで充分、全鑑賞者の前で勝敗つけること可能だったはず。それを、一切ミキ側が論理勝負をせず、揚げ足取りや後出しジャンケン的にばかりやっていった、その品性のなさは、ミキ自身の知性不足にも明確に起因してると思った。未熟で最初から破綻してる論理は、正しい論理でちょっとだけ突けばすぐボロが出たはずなのに、ミキは論理勝負をしなかった。卑怯だ。武士道に反する。ゲロが出そうだった。
そもそも、太鼓の音うるせーし。正直、序盤で太鼓が煽ってきた時点で、「あー、イヤな映画」って思ったもん。ほかの音楽も全部気持ち悪かった。ほんと、品性がない。
歴史に無関心すぎる日本の女子留学生なんかが登場して必殺の無知パンチ叩きこんでくれるけれど、ミキがマイク向けた全若者があんな反応だったのか、それとも極端な例を映したにすぎないのか、数字を挙げな。日本のふだんの三流四流TV番組と違うんだったらさ。優等生みたいのもいたの? いなかったの??
でも、素人さんとしては頑張って作った映画だから、全否定はしない。
でも、朝日新聞なんてどうでもいいじゃん。偽善新聞な上に、元々関係ないんだから。千田夏光氏(元毎日新聞記者)が1980年代に出した「従軍慰安婦」の本が最初でしょ? ミキはそれ読んでる? 超ベストセラーだよ。千田氏の本以外でも90年代にどんどんどんどん各マスコミが同時多発的に慰安婦たちのインタビュー記事とか出してて、共同通信なんかもそれ盛んだったし、元共同記者の辺見庸さんが書いた『もの食う人々』のクライマックスは、韓国元慰安婦が船上で日本兵たちにもらって食べたばかりのまんじゅうを「何か歌え」って言われて朝鮮語の歌うたったら日本兵たちに怒られて蹴られて「まんじゅう吐け」って言われて喉に指つっこんでゲーゲー吐いて、その時の恨みは今でも忘れない、って言ってた事実場面だった。朝日一紙なんてどうでもいいんだよ。
ミキはいったい何と何を知ってるの? 今何才なの? 日系だっていうけど、アメリカでどんなこと考えて生きてたの? 「国際法違反」ってどういうこと? ヨーロッパではフランスがドイツへの憎悪剥き出しに作り上げたヴェルサイユ条約のせいで、ドイツが苦しみぬいて結局ヒットラーを生んだんだよ。国際法こそがファシズムを生んだんだよ? 一国を麻薬で弱体化させるという世界史上最も邪悪なアヘン戦争を引き起こしたイギリスが中国のところどころをむりやり自分のものにしてそういうのを条約だの何だので固めていったんだよ? その一方、「我々は日本を植民地にするつもりはない」というポツダム宣言にアメリカ自身が違反して21世紀現在、日本を事実上の植民地扱いしてるじゃん? 「国際法」「国際法」うるさいんだよ。「人道」と言え。すべて「人道」に反する行為は地獄行きなんだよ。この映画は人の道を歩んでるか? 私にはわからない。韓国軍がベトナム女性の性を蹂躙したことは今まであんまり知らなかったからそれを学べた点だけはよかったけど、それ以外では役立つ映画だと思えなかった。観なきゃよかったとも思わない。

あと、南京虐殺、たとえ死者が十人きりだったとしても、虐殺は虐殺だ。性奴隷だって、二十万人だろうが二人だろうが、つらいもんはつらい。数の話ばっかりするな。
女性は、健康で衛生面でも栄養面でも恵まれていたとしても、それでも体調悪い日には一回でもセックスなんてしたくないし、そもそも子宮内膜炎とかでセックス自体が常に苦痛っていう人だっている。慰安婦にされた女性の中にはそういう元々弱い人だって交ざってたはずだ。数の問題じゃないよ全然。
私は、ずっと前、生理中に恋人がどうしてもやりたいっていうから愛のつもりで一回させてあげたことあるけど、そうしたら、お腹が痛くなって、それから二日間寝たきりになった。個人差はあるけど、それぐらいに、性のことっていうのはデリケートなんだよ。
それを、諸説はあるけども、過去に元慰安婦インタビューとか読んだら「性器がすりむけて腫れて火がついたように痛くて痛くて、軍医に『助けて』と言ったらモルヒネを注射されたが、モルヒネもだんだん効かなくなった」とか「日に何度も気絶した。そのたびに水をぶっかけられた」とか「一日中性交してなきゃいけなくてゴハンを食べる暇もないから、兵士に乗っかられてる状態でにぎりめしを食べた」とか「女性器がぐちゃぐちゃに変形して元に戻らない」とかもうメッチャクチャな地獄が書かれてて、そういうのは場所とか状況とかで差異あっただろうけれど、とにかくもう、いちいち嘘かホントか誇張かなんて騒がず、ここは「疑わしきは、謝る」でやっぱ天皇が土下座だね。文句言うやつは不敬罪で逮捕。
ついでにいうけど、卑怯なヒロヒトをアメリカが免罪した(731部隊同様に)のがそもそも一番悪い。国際ナントカ法廷で天皇を有罪にしてたけど、それなら天皇を利用しまくって赦したアメリカをも裁きなよ。判決文自体は惚れ惚れスカッとする理路整然さだったけど、よく考えてみると、あんたら外人に日本の天皇を裁かれるスジアイなんてない。
日本の天皇は、私たち日本人(日本の主権者)が裁く。外人は黙っててね。不愉快だから。(日本人が鯨を韓国人が犬をちょっとぐらい食べて何が悪い? 牛豚食べまくってるくせに、バーカ。私は鯨食べないけどね。)

あと、「奴隷」「奴隷」ってあんまり聞くと、それもバカみたいに思えてくる。奴隷の定義? ふむふむ。だったら、当時の日本の兵隊(いや、ドイツだってアメリカだって兵隊さんは)みんな奴隷じゃないか!! 性奴隷だけじゃないんだよ。自由がないんだからみんな悲惨だった。
だからこそ、そもそも戦争も軍隊も悪なんだよ。
言葉ばかりにこだわって本質を見誤る。本質を貫いてるつもりでも、じつは一つの史観や価値観で他次元領域を裁いてるだけってことも多い。さんざん勝手なことやってきた欧米に騙されたくないね。
兵隊たちの痛苦にもちゃんと言及した映画であればよかったんだ。

あとさ、「証言が二転三転してるから、証拠能力がない、とかそういうこと言えば言うほどセカンドレイプだ!」という責めも、じつはたいへん危険。痴漢冤罪でひどい目に遭ってる男性が「俺は無実だ。被害者女性の言ってることのここがおかしい、ここもおかしい。俺はやってない」と言えば言うほど「それはぜーんぶセカンドレイプになる」と責めを強めるの?
ちょっとこの映画内容とは離れるのかもしれないけど、私は、そこんとこがちょっと気になった。
その上で、最後に櫻井ちゃんに私は言っておく。「政府や軍に強制された性奴隷たちがいたこと、ましてやその数が20万人規模であったことを示す証拠はない、とあんたが主張するなら、じゃあ、そういう性奴隷がいなかったことや、仮にいたとしてもその数が20万人じゃなかった、ということを示す証拠を出せ。そもそも、あんたが日本人であるという証拠はどこにある? あんた本当に日本人? え、あたし? あたしは元皇族だよ。天智天皇の子孫だけど何か?」





◇追記◇
当レビューのコメ欄に白痴ネトウヨの立場から殴り込んできた人格破綻レビュアーを一応記録しておこ。スクショで証拠保全したうえで、コメ削除・ブロック済み。
「妖怪まっちん」(ID/tdidoydoydx) 2019.9.19夕方頃