くりいし

ミッドサマーのくりいしのレビュー・感想・評価

ミッドサマー(2019年製作の映画)
4.8
今さら言語化するのも憚られる強烈な映像体験。

美しい北欧の風景・文化、楽し気な音楽、旅行、
トラウマ、幻覚作用、どうしようもない人間関係
カルト宗教、アール・ブリュット、徹底的な人体破壊。
個々の強烈なアートワークスがモザイク状に並べられ、
一個の異様な作品として整えられている。

一言で言ってしまえば「ただただ悪趣味な映画」で
終わってしまうかもしれないのですが、
その「悪趣味さ」が緻密に計算され、丁寧に作りこまれている。
鑑賞する度に、この狂気ともよべる作品づくりへの
執念みたいなものに毎度感嘆してしまう。

あまり本作をホラーとして見ていなかったのですが
これを当時観て、友達と感想を話していたとき
「あれはハッピーエンドなんだよ」
と言われたのが一番怖かった記憶があります。
当時、僕には「どこが…?」としか思えなかったのですが
映画の感想は観る人によって決定的に変わるものだなぁ
ということ確信した瞬間でもあり、
そういった意味でも忘れられない作品です。
ハッピー…エンド…かなぁ…?
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