くりいし

君たちはどう生きるかのくりいしのネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

スコア表示するのもややネタバレになりそうなので
あえて一時的にスコアは無しにしてます。

齢80を超えた、宮崎駿という
偉大なクリエイターが真っすぐに
「死」を意識して描いた作品だなと解釈しました。

戦後を経験したというクリエイターとしては
もはや稀有なステータスを持つパヤオ監督が
真向に死の世界を描いているので
かなりグロテスクな映像体験でもあり、
若い人の感性からすれば「気持ち悪い」と
捉えられても仕方のないことかなぁとも思います。

宮崎監督自身も、その若者との感性の軋轢というのを
感じていたのではないかと邪推しちゃうんですけど、
眞人に世界を創造する仕事を継ぐように勧めるも断られ
自身の世界の崩壊と共に滅びゆく大叔父さまと
スタジオジブリの宮崎駿という存在を
どうしても重ねてしまうんですよね。

映像としてもかなりジブリらしいというか、
新しい試みのアニメーションを作りながらも
宮崎駿らしい世界観を完ぺきに構築していて、
これぞ宮崎駿作品だ!と言わんばかりじゃないですか。

そういうこともあって、表題の意味あいについては
「私は生きた。
君たちはどう生きるのか?」
という一種遺書のような問いかけのように感じてしまいまして。

それは、より良い世界を目指して努力したり議論を交わすことよりも
目先の娯楽に耽る若者を叱咤する呪詛のようにも思えますし、
この先、現在を生きる君たちが未来の社会をどう築いていくか、という
希望のメッセージのようにも捉えられます。
そこには否定も肯定もない。
ただ命はいずれ尽きるので、
どう生きるべきか考えるとっかかりになるべく作品として作った
…というのは少し拡大解釈が過ぎるかもしれません。

これで最後とは言わず元気なうちは
宮崎駿監督には作品を作り続けてほしいですね。

ちなみにスコアをつけるなら4.2くらいです。
インコこえぇーーー~~!!!
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