空海花

ミッドサマーの空海花のネタバレレビュー・内容・結末

ミッドサマー(2019年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

カルト的なヒットとなっている今作を戸惑いながらもやっと鑑賞。

かなりネタバレするのでお気をつけ下さい。

プロローグ、不協和な音楽、酔いそうなカメラワーク、キャスティングも良好。
これらに関してはレベルが高く、マイナス要素はほとんどないと感じた。
あと辺境とか山とか村とかのホラー話は好きな類いなので観に行かない選択肢ははなかったのだけれど。
ダメかもしんない…という予感があった。
ルーン文字とか生命の樹とか北欧神話も良い。
白夜で明るい草原と色とりどりの花々。
一見美しい白んだ風景に
ドラッグで同化する。
怪しくなってくる…

何度も画面に映る絵画、これも気持ち悪い。
いやまぁ気持ち悪いのは良いが、
あぁこれ見せられるのね、と予定調和に巻き込まれる。
まぁそれも悪くない手法とは思うが
しつこい。あと直喩過ぎないかな。

そして観る前に、監督の失恋経験が元になっているという記事は見ていて
そう考えるとそれが1番怖かった。
自分の作品の中で発散するのは全然良いと思うのだが。
何となく冷たい彼氏
友人のアドバイスがとても的確だけれど
自分が重すぎるとか改めるとか
なかなか煮え切らない主人公。
それを吹っ切るように
バッサバッサと消えていく外部の人間達。
彼らも彼氏も主人公のダニーさえも
何かしたからというより結局仕向けられているような感じ。
彼氏のクリスチャンのあの顛末ももう強制だし。冷たかったけれどちょっと気の毒。
結局連れて来られた時点で逃げ場がない…

そのコミュニティでは
あらゆるものを共有する。
女王が泣くとみんなも泣く。
そこにもう言葉は無い。

ダニーはこれまでの苦しみからは解放されるが
多くのものを失っている。
悲しみや幸せを分かち合うことは大切。
でもこれは分けるというより捨てる行為。
ドラッグのトリップだし。
自分の言葉、感情は無くしたくない
たとえどんなに苦しくても。
プリミティブに退行する感じに嫌悪感しかない。
あと花に着せられている感じが物悲しくてそれを煽る。
フローレンス・ピュー、ファイティング・ファミリーに出てた子。もう少し綺麗に撮って欲しかった。
映像は美しいようで空々しい。

まぁ、家族を一気に亡くして
彼氏には頼りきれなくて
それくらい辛かったら捨てたくはなるかもね…

割と最初の方で、ダニーは「コミュニティ」だがそんなような言葉に笑顔で反応する場面がある。
好意的になる要素が序盤にあるのね。
これも予定調和?


そう、結論を言うと私にはダメでした。
グロさなんか飛んじゃった(笑)
でもストーリー以外で点数を稼いでました。
ヒットさせちゃうのが怖いなとも思いました。
でも監督はまだこれからの人だと思うので。
やりたいこと詰め込み過ぎです(笑)だから長い。

劇場は若い子が多く、それこそ高校生くらいの子も。でも老若男女、結構入ってました。
若い子はいったいどんな気持ちで観るんだろう。
もう戻れないので、全然わからない…苦笑


2020劇場鑑賞46本目/47
空海花

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