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幸福路のチーのmitoのレビュー・感想・評価

幸福路のチー(2017年製作の映画)
4.1
今年207本目。
台湾のアニメーション作品。

主人公のチーが祖母の死の知らせを受け、帰って来た故郷の幸福路、そこで幼き日々を回顧し、自らの幸福を問う…。

実際に起こった出来事や時代背景を投影する展開は「この世界の片隅に」を彷彿とさせる。
アニメーションでデフォルメされたキャラクターはファミリー層向けにも見えるが、内容は非常に大人。

人々の生活で得られる幸せをお金や愛など、チーの家族だけでなく、かつての親友のような他者も使って、様々な側面から描く。

この間観た「ファイティング・ファミリー」同様、両親が、娘を労働力として期待する描写が多い前半戦に対し、娘を愛する親描写連発の後半戦が涙腺を刺激する。

時代背景についても、北京語を強要する学校や学生運動など、反独立派の描写も多く、結構攻めた内容となっている。

・大切な人の死を切っ掛けとした久しぶりの帰郷
・子供時代まで遡って過去の思い出を回顧
・回顧の中で大切な何かを思い出す

この展開が、個人的はニュー・シネマ・パラダイスも思い出させた。
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