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星に語りて~Starry Sky~のmakoのレビュー・感想・評価

星に語りて~Starry Sky~(2019年製作の映画)
4.5
《2011年3月11日 東日本大震災、障害のある人と支援者の物語》
◎90点

きょうされん40周年記念映画。

バリアフリー版(字幕・音声ガイド付き)で鑑賞。本作の上映は全てバリアフリー版。

本作は、当時を知る証言者たちへの取材に基づき、その知られざる実情を山本おさむ氏の脚本と新進気鋭の松本動監督によって描き出す群像劇です。
障害者の方々が実際に出演されていました。

舞台は、岩手県陸前高田市、高台にある共同作業所「あおぎり」と、福島第一原子力発電所事故によって避難を余儀なくされた地域の一つ、南相馬市。

避難者は健常者ばかりではないのに、通常の避難所ではハンデキャップがある方々には肩身が狭い場所、あるいは過ごすことが困難な場所でしかないことを知ることができました。
同じ避難者であるはずなのに理不尽に感じました。
視覚障害者、聴覚障害者、脳性麻痺など、それぞれ生活に必要なことでも「わがまま」とみなされると、観ていて悲しくなりました。

障害者だけじゃなく、病気により身体が不自由で避難できない方、高齢者の方たちは避難所では過ごせない、過ごしにくいから避難所に行っても自宅(半壊してる家も)に帰る人もいた。自宅だと支援が受けらず(救援物資が届かない)、行政から切り捨てられている現状に辛くなりました。

障害のある人の安否確認をしたくても、個人情報保護法が壁になるくだりは苦々しく思いました。
それでもそれを打ち破る手立てを模索していく支援者の方々。
人命救助を第一に思い、実行していく支援者の皆さんは素晴らしかったです。

そもそも日本は昔から自然災害が多いから、それに備えて住民の把握や過ごしやすい避難所の準備等をしておくべきじゃないかな。
今後、首都直下地震や南海トラフ地震も発生する確率は高くなってるのに、未だに避難所は学校の体育館や役所など、間仕切りもない所で何日も過ごす。(最近は少しはましになったのかな)
海外だとテントを張ってプライベート空間ができてたり。日本って教訓が生かせないのかしら。

地方公務員の数を減らしたり派遣社員で補ったり、こんな現状で災害に備えなることなんてできないんじゃないかと不安です。
海外に比べ日本の公務員数は少ないです。
もっと知りたい方はこちらをご覧ください。
https://koumu.in/articles/1061f

特に維新が公務員を減らすと言ってましたが、それにより支障をきたすのは市民です。
大阪では他の県に比べ、一律給付金の振込が遅かったと聞きました。(間違っていたらご指摘願います)

話が脱線しましたが、障害があるなしに限らず、皆が大切にされる世の中になればいいなと思いました。

鑑賞した翌日、ラジオで福祉避難所のことを知りました。
福祉避難所(ふくしひなんじょ)とは、災害の際に一般の避難所では生活に支障をきたす高齢者や障害者、妊婦らが過ごす避難所のこと。(Wikipediaより)


本作はこもえさんのレビューで知りました。観てよかったし、多くの人に観てほしいと思いました。

きょうされんとは…1977年に障害のある人の願いをもとに16ヶ所の作業所によって結成されました。現在は、就労系事業所をはじめ、グループホームや相談支援事業所、ヘルパー事業所、障害がある人が生きていく上で必要な全ての事業を対象としており、全国で約1870ヶ所の事業所が加盟し、共に活動している。



観客 1階席 3人+?、2階席 4人
劇場鑑賞 #27
2022 #33
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