ねまる

ゲキ×シネ 『修羅天魔 ~髑髏城の七人』 Season極のねまるのレビュー・感想・評価

3.8
『髑髏城の七人』シリーズの感想はまとめてワカドクロ(ゲキシネ「髑髏城の七人」)にあるよ。

極楽太夫as天海祐希
登場から最高。鉄砲スタイルを正としたカッコいい極楽太夫。
でも、顔見せの着物姿は本当に可愛かったなぁ。
『髑髏城の七人』大好き人間からしてみると、この物語をどう受け止めていいのかが謎なところもあったんだけど、
こういう天海祐希が観たい、って作品なんじゃないかと思って見ていたよ。

それから、極楽太夫=お蘭だと?
そして腑に落ちたのはこれは、蘭兵衛が闇落ちしなかった世界なのかもしれないということ。
だから、信長と共に天を追ったし、天魔王とキスをした。彼女は蘭兵衛だから。
捨之助は極楽と清十郎に
蘭兵衛は極楽と夢三郎に分かれて存在しているんだね。
だから、どちらかだけに蘭兵衛を求めても見つからないんだ。
ラスト近くの360°シアターを使った走馬灯はずるいです。

天魔王as古田新太
信長が出てきたのは初めてじゃないか?
本筋ならば、いくら古田様でも、捨天蘭の中の夢幻であって欲しさがある。
まぁ、これは初演版かアカドクロ観てから観たかったとも思う。
こんな天魔王ありなのか!?!?
でも、歴代一かっこよい「髑髏城で待っている」だったよね。
蘭がいない分の色気はここに全てあるな。
信長なのか、天魔王なのか分からなくさせる演出も、どちらなのか分かる一つの失態もすごくよかった。
『けむりの軍団』の会見で、古田新太と早乙女太一が共演がなかった話で、ふるちんさんが「キャラが被るからだよ」って笑ってたけど、ネタじゃないね、これ。
ハンパない色気を放つ役者。

兵庫as福士誠治
兵庫にしては線が細いような気がしていたんだけど、舞台によく通るいい声が響いてて、よく喋る役がお似合い。
兵庫×夢三郎って組み合わせは最高。劇団員を除いたら、この2人の組み合わせが良かったかな。
捨も蘭もいない分、兵庫の役目が多くなっていたにも関わらず、エネルギッシュに演じきって好印象。
ただ、一個一個の辛さの重さが軽くなっちゃったかなぁ。

沙霧as清水くるみ
沙霧ちゃんにしては、声が低くて、勝気すぎるなぁ。私は岸井ゆきのちゃんの可愛さが沙霧ちゃんには好みなんです。まぁ、捨がいないとね。

兄さas梶原善
善さん!?!?!あなたこの役やるの?あなた徳川家康やってたじゃん。ひぇ。さすが極。ちょいと勿体ないね、使い方が。

妙声as右近さん
三五asまさとさん
この辺の圧倒的安定感はなんでしょうね。
というか、メタルさんとかいる髑髏党の歌最高すぎません?
今回の髑髏党員みんな最高だよな。
音楽のテイスト、髑髏党以外はすごく鳥に似ている。

贋鉄斎as思い出せない
贋鉄初めてのコンビ。カンテツくんの三宅さんはむちゃむちゃに河野まさとさんじゃない?キャラが。
でも、やっぱり何か物足りないなぁこのシーンは。腹抱えるほど笑いたいのさ。

新キャラ
夢三郎as竜星涼
あ、開いた口がポカンだ。
なんだこの役は?あの彼と似た美を感じる。So beautiful&陰がちらつく感じ。
登場シーンは完璧。
BUT
陰がちらついているあたりまでは良かったんだけど、悪に転換するまでの流れがないのと、悪になってから色気がすとんって抜けちゃった感じー。
えー、勿体ない。やっぱりあの方早乙女をくれ。
手足がスラリと長い殺陣は綺麗だったよ。

清十郎as川原正嗣
この人の見た目の割に声が高くて軽い感じ好きなんだよね。新キャラだから立場が分かりにくくて面白い。この先どうなるの?ってなるもん。まさか七人の一人にインするとはね。
かなーり好きなキャラでしたよ。立ち回りもカッコいいしね。

結論
『髑髏城の七人』のが好きだなぁ。
胸をかき乱されるような苦しさ、辛さ、感情の爆発があまりないんだよなぁ。
でも、これは本筋を知っているからこそのアナザーストーリー。単体での戦っちゃあ仕方ないんだ。

ラストの天海様の台詞に意表を突かれて思わず大感動してしまったのと、
カーテンコールの時、夢虎が夢三郎の格好で出てきてくれたことで、
引っかかってた部分忘れて満たされました。



ゲキシネ版視聴後感想書き直し
初見時は、『髑髏城の七人』を期待してたのだと思う。
だから、ここが違うとか、ここはこういう展開でないと、とか思ってしまった。

でもこれは全く別の作品として、素晴らしい。
改めて観て思った。

蘭の過去を背負い、太夫の立場を踏まえ、捨之助として振る舞う天海祐希。

新キャラでありながら、捨之助の役割を回収する清十郎を作った川原正嗣。

愛された過去と葛藤する部分をマイナスした蘭の要素もあり、裏切りの無界屋の極楽太夫を悪人として魅力的にした竜星涼。
(蘭は愛された苦しみ、夢三郎は愛されたい苦しみという意味)

2人に役割が分かれた極楽太夫のために、三重の苦しみを負うことになる兵庫を、光で演じ、コメディもまもった福士誠治。

補足だからそんなに書かないけど、
みんなすごいよ!

これはこれで良い。
天海祐希と古田新太と、彼らでなければなし得なかった。

改めて観直して、評価を上げました。
ねまる

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