ねまる

いなくなれ、群青のねまるのレビュー・感想・評価

いなくなれ、群青(2019年製作の映画)
3.8
捨てられた人たちの島、階段島。
その環境に慣れてしまった人たちと、
後からやってきたおかしいと言える少女。

階段島、そのものは架空の設定なのだけど、
それが架空だからこそ、ストレートで詩的な物言いが好みだった。

詩的な物言いを自然に話す横浜流星と飯豊まりえ、現実的な松岡広大、神秘的な未来穂香、黒羽麻璃央
異世界空間でありながら、この世界で、でもファンタジックさがあるところが、
キャストの台詞からも、映像からも伝わってきて素敵。映像が本当に美しかった。

「前提からおかしなルールを気にしても仕方がないよ」と真っ直ぐに言うヒロイン真辺由宇。
行けないのと、道はあるのに行かないのとでは違う。
私も同じような意見だよ。
人と人が出会って変わるのは当たり前。
私は私が出会った人たちのおかげで、少しはマシな人間になれてると思うし、私と出会った人がさらにちょっと良い人生になってるといいなって思ってる。
相手の価値観で考えることは私も注意だね。

原作の作者曰く、
「設定は突き詰めるとSF的になり、
プロットは突き詰めるとミステリー的になる。」
たしかにSFでミステリーちっくではあるんだけど、そこには作り込まれた設定とプロットが確かに込められている。
1度観終わった後で、その謎が解けた後でまた観たいと思わせてくれるそんな作品でした。
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