ひろぽん

劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さんのひろぽんのレビュー・感想・評価

4.4
仕事一筋だった父が、ある日突然会社を辞めてしまった。父の本音を探るべく、子供の頃一緒に遊んだ思い出のゲームである『ファイナルファンタジー』のオンラインゲームの世界に父を誘い、自分は正体を隠して一緒に冒険に出て、父の真意を知ろうと奮闘していく。

累計アクセス1000万アクセスを超えた大人気ブログを、ドラマ化を経て映画化した実話に基づいた物語。


突然仕事を辞めた父親の気持ちが分からない息子が密かに父親の気持ちをゲームを通じて理解しようしていくお話。

ドラマ版も未視聴だし、『ファイナルファンタジー』もプレイした事ないけど十分楽しめる内容になっている。

歳を重ね交わす言葉も減り話しにくくなったぎこちない父子の関係を、オンラインゲームというコンテンツを使い心を通わせていくシンプルなストーリーがとても家族愛に溢れていて心地よい。

幼少期に父と夜中にこっそりプレイしていた思い出の『ファイナルファンタジーⅢ』をキッカケに、大人になり『ファイナルファンタジーⅩIV』を退職した父に息子がプレゼントするという流れも親孝行として本当に素敵だと思う。

感情表現が下手で不器用な父親を演じる吉田鋼太郎の堅苦しい演技も、平凡な息子を演じる坂口健太郎の柔らかい表情も自然な雰囲気でとても良かった。

PS4の設置をテレビにドライバーで取り付けなきゃいけないと思っていたり、コントローラーを前に突き出しながら操作する父の姿は、どこか見たことある様な光景であるあるなのかもしれない。

最近のゲームはより複雑になっているから、ゲームをほとんどプレイしたことのないこの父親のような人にはやはり難しく難易度が高いような気がする。特にオンラインゲームをスムーズにこなすのは大変だろうなと思う。

子どもの頃よりも大人になると親子の関係も少しずつ薄れていくから、こうやってゲームを通して同じ体験を共有できるのは素晴らしいし、今の時代ならではの楽しみ方なのかもしれない。

娘が家に売れない芸人の彼氏を連れてくる時の父親の攻撃的な態度の気持ちは分かるし、その後にしっかりお笑いの舞台を観に行く父の行動は好感度を持てる。

FFの綺麗な世界観にアフレコをして現実と融合させて進行していく斬新なストーリー展開や、日本ならではのゲーム文化を合わせた唯一無二な作品だと思う。

久しぶりに観たけど強いて言うなら、FFについての知識が全くないからもっと知っていれば最高に楽しめたんだと思う。FFファンにはたまらん1作だろうな。

これを観てこの世界観をプレイしてみたくなった。調べるとだいぶ歴史のある作品だし、ナンバリングで話が繋がってる訳じゃなさそうだからどこタイトルからでも楽しめるのが良さそう。

先月新作の『ファイナルファンタジーⅩVI』が発売されたみたいだからやってみたいな。
ひろぽん

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