翼

TENET テネットの翼のレビュー・感想・評価

TENET テネット(2020年製作の映画)
4.3
鑑賞体験、と評したことに合点がいった。とんでもない映画だこれ。
順行と逆光が入れ替わり続ける物語には、この後何が起きるか知らない「バージンの順行」と、起きたことを取り戻す為に逆行する「訳知りの逆行」が入り乱れる。初見の私たちの脳内では「あれ、コイツはどっちの人だっけ?」の整理が延々と繰り返され、一度観ただけでは情報処理が追いつこうはずもない。
そしてヒゲさん(名前ないよね?)の衝撃のラスト。
いや、正確には遅効性で衝撃となる事実、といったところか。
ショックの最中でエンドロールが流れ始め、私たちはまた思考の整理を始める。てことはあの時のアレはどうでこうで…
まさに思考の逆行の旅が始まる。
この映画は、初見の順行と、再見の逆行の見方を暗に推奨しているように思う。
いいだろうノーラン。まんまと思惑通り、逆行の2回目に挑もうじゃないか。
今回はIMAXレーザーの威力に打ちのめされた想い出だけとっておこう。
翼