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TENET テネットのnのレビュー・感想・評価

TENET テネット(2020年製作の映画)
3.7
客電が点いた瞬間、「理解度ゼロ!」と叫んでしまったが、考えてみればSFとエスピオナージュという自分の2大苦手科目を掛け合わせた映画だったのでむべなるかな。しかし、「何やらえらい難解げな理論で仮想世界を構築しておいて最終的にはエモのブルドーザーで押し切った」という粗いにもほどがある理解しかできないゆえ、何だ『インセプション』も『インターステラー』もこれも全部一緒じゃないかと思えてしまって、さすがに同じパターン(じゃないんだろうけど…)が三度目ともなると勝手ながら食傷気味なのである。しかも、エモい映画は嫌いではないというかむしろ好きだけど、ノーランのエモって実はどうやらかなり底が浅いというか陳腐なんだな、と前作で思ってしまったので…。
『インセプション』の夢のビジョンや『インターステラー』の五次元空間と比べると格段に地味な「逆行」は絵面のインパクトも弱く、その点でも不利である。(実物志向ということで撮影現場で実際に後ろ向きに歩かされた人がたくさんいたという噂だけれども、前を向いて歩くのと比べるとどうしてもスピードが落ちると思うし、どんくさい感じがしてしまう…。)

ジョン・デイヴィッド・ワシントンの軽妙にして華麗なキッチンファイトが私の中ではハイライト。どうしたらあんなにお洒落に人を殴れるんだ。
あと、観てる間はそうでもなかったのだが、ヒメーシュ・パテルのとりあえず置いただけみたいな使い方に、なにげに、思い出すたび、非常にイラッときている。
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