竜どん

イップ・マン 完結の竜どんのレビュー・感想・評価

イップ・マン 完結(2019年製作の映画)
3.9
ドニー師匠の『イップ・マン』はやっぱアガる。
カンフー映画不況の時代、ブルース・リー→ジャッキー・チェン→リー・リンチェイ(ジェット・リー)以来ひっさしぶりに自分の功夫欲を大いに満たしてくれるシリーズだっただけに、これで最後なんて残念過ぎる。
ありがとうイップ師匠。
ありがとうド兄さん。

八極拳の李書文、形意拳の郭雲深・尚雲祥、無影脚の黄飛鴻など漫画や映画エンタメの世界に名を残す中華拳士は数(かず)いれど、ド兄さん演じるイップ師匠は近年では別格。
常に冷静沈着、人格者として清貧に生きるイップ師匠。だが虐げられる人々を目にした時、華人の誇りを汚された時、彼の怒りの詠春拳が炸裂する!!
ド兄さんのアクションは相変わらずキレッキレ。密着戦を旨とする詠春拳の精緻かつ瞬速な攻防とキメる時にキメる発勁が気持ち良い。
敵役のスコット・アドキンスが空手というよりはカンフーアクションなんだけど、一撃必殺の前者よりお互いスレスレの攻防においてはコチラの方がハマる気がしますね。
そして戦いが終わった後のイップ師匠の憂いを帯びた哀しげな表情。
くーーかっけぇ〜〜☆☆☆

まぁ毎作毎作展開は同じなのだが、1の池内博之、2のサモハン師匠、3のマイク・タイソンと一本に1人、日本人にも馴染みの深いゲストキャストが活躍するのもお約束。流石に本人という訳にはいかないが今作はチャン・クォックワンがなりきる李小龍(ブルース・リー)が大活躍。有名な寸勁(ワンインチ・パンチ)の表演シーンに大興奮。

シリーズを通して物語自体はフィクションなのだけれども、主人公のキャラクターと演者のイメージがこれ程プラスの化学変化を起こした作品には中々お目にかかれません。
格闘アクション好きなら必見の極みシリーズ。お試しあれ。


追記
『イップ・マン』シリーズにて最早ド兄さんとワンセットになってる木人樁も見納めか。日本でもAmazon(¥68220…結構高価い)で買えるのね笑
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