まりぃくりすてぃ

甘いお酒でうがいのまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

甘いお酒でうがい(2019年製作の映画)
3.7
ホット甘酒の夢を見た。甘酒を3杯も飲んでから駅に向かう目抜き通りの急坂を駆け上がろうとしたら、身体が重くてナッカナカ進めなくなり(←夢にありがち)、屋台のお爺さんに「もう1杯行く〜?」と満杯の紙カップを差し出された。。
そんな謎の夢から覚めた私は、スルーするつもりでいたこの映画にちょっとした縁を感じた。キメ手はまず、題名! 文学賞に入選しそうじゃん!
そして中身は、まあまあだったよ。見やすくて、(おそらくアラフォー〜アラフィフ女性ウケをそれとなく狙ってるんであろう)シックな画作りと淑やかな “語り口”。うん、主演・松雪泰子さん自身のナレーション、穏やかで心地よくて眠気を誘う。爆発的なところのない、“受け身で小粒な少女精神”をお行儀よく持つ主人公(推定45〜49歳)は、私とは異質だし人生の残り時間からして違うけど、わかってあげる。可愛らしいし。
吉本興業の製作にしては、くだらなさなどは特になかった。監督の力量が単純エンタメ主義に打ち勝ったレアな例だろう。(先例は深田晃司氏の良作『いなべ』。) 足元ショットの丁寧な多用で始まり、ミラーサングラスのラブリーさで終わる。盛り効果がたびたび出る演出力だ。俳優陣も、主演のほか、黒木華さん、清水尋也さん、古舘寛治さんがすばらしかった。
ただ、干支二周りぶんも年下の男子とのシャイニーな恋愛は、いくら何でもファタジーすぎて応援できなかった。かといってビターな結末はあまり見たくないし(ありふれてるし)、最大10歳差まででしょうね、、 まあちょっと、脚本は淡々と進んだだけだった。。
さて、この私も、さほど努力しなくてもチヤホヤしてもらえるのはあと7、8年が限度だろうな。それまでに何とかシナクッチャ。(家事が嫌いだし男の人に縛られんのイヤだけど、子供は産みたいな。子供嫌いだけど。)