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クロール ー凶暴領域ーのslowのレビュー・感想・評価

クロール ー凶暴領域ー(2019年製作の映画)
3.1
【フィクションの中のワニパニック映画】
ーーーーーーー
パニック映画には
「予想しやすいジャンル」
という“呪縛”がある。

その点、この映画は欠点を
脚本と映像で補っている!

・父娘の泣けて熱い人間ドラマ!
・迫力を活かせるハリケーン!
・程よく食べられる犠牲者!
・元気に暴れる巨大ワニの群れ!
・状況変化と場所移動の多さ!

映像と脚本がエンタメを
重視して作られてるので
スローテンポ部分も少なく
“つまらんとは言わせねえ!”
そんなスタッフの気合いが
伝わるくらい良く出来てる♪

……しかし!
これはあくまで“映画”として
“作り話”としての評価だ。
ここからマイナス点を挙げる。

・映画的な“エンタメ”を
狙いすぎて“現実味”がない…

なぜか父親が地下室にいて…
なぜか頑固に娘が家に戻り…
良いところにパイプがあり…
良いところに人が来て…
死亡フラグも即回収して…

シーンを撮りたいがために
辻褄を合わせた感じだ…
(モンパニ好きとしては
ワニが集まって四肢を
食いちぎるシーンは最高♪)

一番それが強く感じたのは
屋根すぐ登ればいいのに
なぜか階段で立ち止まり
絶対に見えにくい位置で
ヘリを呼ぼうとするシーン。
ワニが窓を突き破る場面を
撮りたいがために
入れたかったんだなって
制作スタッフの意図が
透けて見えた…

主役の父娘を
死なせられないため
急遽用意した死亡要員を
その場で死亡させる
安易なワザを連発する。
他のモンパニ映画ならば
まだ生きてるよ……?

ハリケーンの設定も
活かしきれておらず
災害の怖さも足りない…
“アトラクション雰囲気”
どまりだ……🐊🌀

現実的なワニの恐怖を
観たい方は、
『ブラックウォーター』が
めっちゃオススメ☆
ワニの出番は少ないけど
実話風味なのでワニが
いつ水面から出るか
分からないリアルな恐怖と
姉妹ドラマが心に響き、
“これぞ、
真のワニパニック映画!”
として家族内では
一目置かれた作品🐊

【一口余談】
『アナコンダ』が
『MEG』を参考にして
リブートするらしいけどさ…
中国に媚びた血肉の少ない
綺麗なパニック映画じゃなく
B級映画の要素を一応持ってた
こっちを参考にするべきでしょ…
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