このレビューはネタバレを含みます
現代社会に蔓延る格差を徹底的にエンタメ化した『パラサイト』は暴力、性、その他アクションなど盛り沢山で少々胃もたれする作品だった。
第一幕(序)の貧しき家族が富める家族に寄生(parasitise)していく快活な逆転劇、第二幕(破)の寄生し富を手に入れたかと思われた家族が転落していく悲劇、第三幕(急)で描かれた(ようで描かれていない)家族のその後、、
一本の映画にまとまっているにもかかわらず、三本の映画を一気見したような感覚を得た(のはあくまで個人的な感想である)。
しかしこれだけ社会性のあるテーマを扱っているにもかかわらず、結局問題を解決するのは金、名声、富であるとまとめてしまったのには幻滅した。
そんなこと誰もが分かりきっている世の中だからこそ別の選択肢あるいは可能性を示すのが現実と理想を描くfilm makerの真の役割なのではないだろうか。