考察し出したら全部そうじゃない?って思うくらいに、「あれはこれを象徴してる」とか、「これはあれの比喩だ」で埋め尽くされているようだった。"意図"の密度が高いというか。
それでいて、その為だけの演出やお話になっていない。本末転倒に陥っていない。物語だけでもちゃんと独立した面白さがあることが本当に素晴らしいと思う。
格差社会そのものに対する"怒り"もありつつ、ある種どこか"諦観"のようなものを感じた。
あの部屋で、点滅を繰り返す蛍光灯に映し出されるギウ。光と闇、希望と絶望、怒りと諦め、上と下。それらを瞬間的に行き来するような彼の表情が印象的だった。