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パラサイト 半地下の家族のTERUTERUのレビュー・感想・評価

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
4.3

 これは韓国の超格差社会問題が具現化された作品だ。

 私はこの作品の魅力が頭に寄生されてしまった。パルム・ドール賞にアカデミー賞など数々の賞を得たこの作品、思うに人間の性格は環境によりいっそ味が濃く、魅力を生み出していると思う。

 2018年にカンヌ国際映画祭にて最高賞を得た『万引き家族』、この映画も貧しい庶民の生活を描いた作品、貧困生活を見事に再現された映画だ。そして2019年のカンヌでも同じ貧しい家族の作品である『パラサイト 半地下の家族』が選ばれた。貧しい家族を題材にした話だが『万引き家族』とは違うのは貧困家族と富裕家族の対比が更に人間の性格の面白さを表現できている。むしろ社会現象を起こしたあの『JOKER』に近い作品なのだろう。

 正直ゾンビやモンスターなどのホラー映画より恐ろしい気がする。なんせ実在してもおかしくない筋が通る話であるから。存在有無な物よりも身近にあり得る話の方が現実味を帯びて恐ろしい。だが何しろ恐ろしいのはこの恐怖の元を生み出した“人間”が恐ろしい。社会の秩序により引き起こした憎しみや悲しみが“恐怖”となって襲いかかる。同じ人類なのにここまでの差が出来てしまう社会を創造した人間が恐ろしい。仕方のない事なのかもしれない、だがパンデミックの如く世に広まった韓国の実態を基に作られた作品、もうわかると思うがその“恐怖”の感情は君たちに寄生されていることを。

 ちなみに、その寄生虫は“悪い虫”とは言っていない。その恐怖を産みださない為に人が傷つけあわない社会を作る“良い虫”かもしれない。私が最初に述べたが、「人間の性格は環境によりいっそ味が濃く、魅力を生み出している」と。貧困、富豪の人間の違いの差の演技として魅力な作品でももちろんある。そして私たちと同じ社会が現実味な話であり面白い。今あなたの立っている格差はどの辺かな、襲われるぐらいの富豪の民に近い?それとも憎しみを抱く貧民の方に傾く?この作品を観た者の格差社会がまた見もので狂気の味が濃くなって魅力的に踊らされていく世間が生まれていくと考えるとよりお面白く怖い。“悪い虫”が寄生されてなければいいね。


とまぁ、こんな感じに映画一つにそこまで人間そこまで揺さぶられるとは思えないけど、『JOKER』の社会現象はこういったこともあるのかなと述べてみた。

韓国映画でもなかなか面白かった。コメディ要素な展開で始まっていくストーリーで笑える中で急に訪れる恐ろしい場面はぞっとするね。韓国作品で「猟奇的な彼女」しか見た事なかったから他にどんな作品があるか気になるね!そしてこの作品の「ポン・ジュノ」監督の作品をもっと見たくなった!有名な『グエムル-漢江の怪物』『母なる証明』など知っているだけだからこの際に観てみようと思う。それにパラサイトの作品に高級住宅として登場するパク社長宅だけでなく、ほとんどの空間をセットとして作ったんだって、凄いよね!全く気付けなかった!それくらい作品に拘る監督に今後の昨品に大いに期待しています。。。ありがとう。


2020/No.007
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