とても上質な作品だった…！決して「楽しい！」となる作品ではないけれど、密度が高くて、とても見応えがありました。
登場人物が多く、複雑な事件の構造をわかりやすくまとめながらも、安易に答えを出さず、観ている側に疑問を投げかける。親切過ぎない設計に、製作陣の、観る人への信頼を見た気がして嬉しくなりました 頭使って映画を見た！という感じがする
「罪の声」を背負うことになった一人・生島総一郎の現在の姿を演じる宇野祥平さんが群を抜いて印象に残りました！
小栗旬・星野源・その他豪華すぎて脳がバグるレベルの俳優さんたちがもれなく熱演されているのですが、総一郎が圧倒的。その恐ろしいほどの無気力なたたずまいに一瞬で釘付けになりました。阿久津と俊也のふたりが総一郎と出会い、総一郎がこれまでの出来事を語るシーンは、息ができないほどの緊迫感でした
望ちゃんのエピソードがあまりにも衝撃的で心が抉られます…これはもしかすると、現実の世界のどこかでの出来事かもしれない、と思うと余計に…
阿久津と俊也、それぞれが事件を追っていく中でふたりが出会い、着々と事件の真相に迫っていく過程は、観ていて清々しかったです
犯人を捕まえられなかった警察に責任はある。だが事件を面白おかしく騒ぎ立てたマスコミに罪はないのか？
古舘寛治さん演じる、阿久津の上司・鳥居のセリフ。
また、中盤で語られる、阿久津の過去と記者の仕事への思い。
映画の中の様々な場面から、とても考えさせられます マスコミや、世の中の事件に対する自分たちの向き合い方を問いかけられた気がした
事件の真相に迫っていく、その過程と人間模様をエンタメとして楽しめる一方で、それだけにとどまらず考えさせてくる、とても厚みのある映画でした。
