空海花

アメイジング・グレイス アレサ・フランクリンの空海花のレビュー・感想・評価

4.4
待ちに待った、音感上映♬

1972年1月13・14日の2日間
ロサンゼルスのニュー・テンプル・ミッショナリー・バプティスト教会で行われたアレサ・フランクリンのLIVEドキュメンタリー。
新鋭監督シドニー・ポラックにより撮影されていたが、技術面の失敗により頓挫、お蔵入り。
長い月日を経て、アラン・エリオットがワーナー・ブラザーズから映画を買い取り、デジタル技術により完成に至るが、アレサ本人が公開を拒否。
ここに来てようやく幻のLIVEがスクリーンに登場した。

これはとにかく“ソウルの女王”
アレサ・フランクリンの歌声に尽きる。
神懸かった響き。
天賦の才とは良く言うけれど
ここでは神から与えられたgiftだと語られる。
美しいヴァイブレーション
こんな声を持つ人を見ると、そういう大きな力を感じてしまう。
クリーヴランド師の司会や歌
アレクサンダー・ハミルトンの指揮
聖歌隊の表情、
観客の熱狂
すべてが昂ぶっていく至福の時間。

実は映像は粗く、
カメラワーク、カットもさほど良いものとは言えない。
いくつかあるカメラとカメラマンやスタッフも映り込み、
この映像を意欲的に作ろうとしたドキュメンタリーと捉えれば
生々しさと感じることができるだろう。
何より若さ溢れるアレサの表情はあどけなくもあり、クララ・ウォードへ向ける眼差し、父のスピーチでの微笑みにときめく。
彼女から発せられる歌声と共に
熱狂する人達とその空間に埋没する。
2日目は会場は高揚とトランスの渦に。
客席には若きミック・ジャガー、チャーリー・ワッツの姿も。

そこには信仰が息づいている。
人々の信じる心や祈りとはすごいものだとも感じたし
根源的で圧倒的な力や魂を感じた。
それを表現できる
歌って素晴らしい。
ゴスペルの世界。
奇蹟とは至上の愛
魂に届く歌。


2021レビュー#129
2021鑑賞No.279/劇場鑑賞#34


予告編シビれます✴
音感上映をありがとう…
空海花

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