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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊のLeafのレビュー・感想・評価

3.8
ウェス・アンダーソン監督10作目。
映画ポスターを1年以上前に購入しモチベーションを上げ続け、やっと観れた〜

同名の雑誌最終号の記事内容を映像化。
個性豊かな記者たちと取材対象、その内容を監督の絶対的なセンスのもと描き切る。

やりたいことを削らなかった結果、ほんとに全部詰め込みましたみたいな内容。そのためウェス・アンダーソンという個性を知ったうえで観ることを前提としているような印象を受ける。
これまでの常連出演人も含め、どこもかしくも著名俳優人でひしめき合う。その上で隅々までこだわっているであろう圧倒的な美術と独特カメラワーク、そのこだわりを知っているからこそ細かい部分も見たいのにそれすら許さない画面構成とスピード感、正直情報量が多すぎて全く視点が定まらない。白黒映像になり重要要素である色彩はなくなっているはずなのに情報収集が間に合わない。
途中から内容を追うことは半分放棄。圧巻です。

間違いなく映画ではありながら写真的、絵画的、そしてアニメーション的である。こんないろんなことしてるのに結果ウェスアンダーソンぽいなと思えるあたりに度肝抜かれる。
もうちょっとドラマチックにできるのかもみたいな部分を存外あっさりさせたり、コメディチックな描き方するのも相変わらず。
要素を詰め込みまくる点ですごく良かったと思う、一方他作品で感じてきた終盤なんでこんなところでうるっときてるんだろう?みたいな感覚が個人的には少なかった。やっぱりこの辺に関しては対象を絞るから現れるものなのかもしれないなとぼんやり...
ただ所々編集長の語るセリフにはメッセージ性があるのかなとも思ったり。

あふれ出るセンスの映像化は他作品に比べても圧倒的な印象を受ける。きっと最初からなにをどう取りたいかビジョンがはっきりしているのでしょう。まさに動き、観る芸術。
回数重ねて咀嚼するほど楽しさが増すタイプの映画だとも思う。

あとパンフレットの内容に自分の知らないことが多く書いてあり、作品に奥行きを与えてくれてすごく面白かった。やりたいことが溢れている監督作品のパンフレットは読んでて面白いなと思えることが多い。
あと出演者本当に凄すぎて紹介ページとか俳優名鑑かよ?みたいな豪華さ 笑
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