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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊の10000lyfhのレビュー・感想・評価

3.0
創刊者の死と共に、その遺言により廃刊となる雑誌『フレンチ・ディスパッチ』の、最終号発行の経緯と、その内容である 3つのストーリー。ファンが期待しているもの(シンメトリックな構図/カラフルな色使い/絵本のような幻想演出)を過不足なく見せてくれる安定感に(作風は全く違うし、ウェスは好きなので比較したくないのだが)ウディアレンに通じるものを感じた。複数の部屋でモブが静止ポーズをとり、部屋を区切る壁の手前でカメラがドリー、といったシグネチャ映像は磨きがかかっているが、目新しさはない。第3話に出てきたアニメは、実写映画中では(全作観てないので多分だが)初使用と思うが、カーチェイスシーンを、実写で全体と調和するように撮れなさそうだったからアニメにした、という印象を受けた(悪くはない)。第1話と第2話は、前世紀の抽象表現主義と学生運動をそれぞれ揶揄、斜め上目線にあまりいい感じはしなかった。各ストーリーの短さも物足りない(ブダペスト的マトリョーシカにはできなかったかな?
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