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プレイモービル マーラとチャーリーの大冒険のsomaddesignのレビュー・感想・評価

3.0
祝アニャ・テイラー=ジョイGG賞女優賞!(クイーンズ・ギャンビットで)

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両親を突然の事故で亡くし、幼い弟を育てるため夢を諦めバイトに暮れる少女マーラ。ある日、無断で外出した弟を追いかけた彼女は、弟と共にプレイモービルの展示場に迷い込む。すると突然、2人はまばゆい光に包み込まれ、気が付くとプレイモービルの世界にいた。
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予備知識ほぼゼロ。
のちのフュリオサ大隊長こと、「クイーンズ・ギャンビット」で一躍名を挙げたアニャ・テイラー=ジョイ目当てで見に行った。しかし、CGアニメを吹替版で見ちゃったので、目当てで行った意味なし。(アニメ世界に巻き込まれる/戻ってくる実写シーンはあるけど)

wikiによれば「2010年代を代表する赤字映画」と大酷評されているけど、幼児向けと思えばそんなに悪い出来でもないような。(アメリカではアナ雪2と同時期公開だったせいもあってか大爆死した模様。封切り週に60万$〜80万$の興収を見込むも、16万7000$に留まった。あまりに興収が奮わないので、配給が入場料を5ドルにする斬新な動員策を打ち出すも、結局宣伝費すら回収できなかった)

監督はウォルト・ディズニー・スタジオに長年勤め、「ボルト」「塔の上のラプンツェル」「アナ雪」のアニメーターだったリノ・ディサルヴォ。今作が監督デビュー作となったが、次はあるのか?

大コケも納得のシナリオの雑さ、登場人物たちへの感情移入のしにくさ。何より異世界転移の理屈を考えるのを丸々放棄してる。せめて暴君に苦しむプレイモービルの住民が助けを求めてるとか、不憫な姉弟を神様が見てた…とか転移する理屈が欲しかった。当然戻れる理由もない。ざつー。

マーラが束縛キツくてモラハラ姉気味。弟のためには周囲の迷惑顧みない「モンスター姉」っぷりもすごいし、ヘーキで人も騙す。他人をけしかけたり、都合よく親切な人に助けられてばかりで、選択も決断もしない。弟チャーリーが幼いながらに自己犠牲の精神を見せるのと対照的に、マーラの自己中っぷりが凄かった。
大オチが成長を否定して「いつまでも子供のまま、姉弟仲良く遊ぶのが幸せ」って着地で、イマドキどうかと思う。冒険を通じて姉弟揃って何も成長しないし。

ストーリーの雑さ・主要キャラの身勝手っぷりに引きつつも、見た目のゴージャス感と動きの可愛さに癒される。
CGのクオリティが高くて、プラッチックな質感や遠近感のない箱庭世界観が面白かった。レックス・ダッシャーのキメギャグは3周くらいして面白かった。あれがダニエル・ラドクリフかと思うと、イギリス英語だし007パロ味あったんだろうなあ。字幕版で見たかったなあ……。上映してないんだよなあ……。

劇伴がカッコよくて、ミュージカルシーンの出来の良さはモチロン、西部劇からSFまで世界観を横断したノリノリの楽曲が魅力。



15本目
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