06

マー ―サイコパスの狂気の地下室―の06のレビュー・感想・評価

3.9
人の心を踏みにじるとどうなるかがよく分かる映画。
人に親切にして貰いながらも恩を返さない。合わない相手と距離を取るのは大事だが、だからといって相手を落としめるようにして遠ざけてはならない。人を踏みにじった過去が、消えると思ってはならない。
まさに、イジメた方は忘れているが、イジメられた方は一生覚えているというお話。

マーは代理ミュンヒハウゼン症候群のようにも見えたのでサイコパスではある。しかしそれは辛い過去のせいで作られた性質に思える。あんな事をされたら、そりゃ恨んでも当然だと思える作劇がとてもよかった。
マーほどではないとしても、こんな風に歪んでしまう人は多分どこにでもいるだろう。

オクタヴィア・スペンサーの演技の上手さで、ただのサイコパス女の恐怖ものではなく、切なさが入り混じったホラーに昇華されているのが見事。
個人的にかなり好きでした。
06

06