柏エシディシ

初恋の柏エシディシのレビュー・感想・評価

初恋(2020年製作の映画)
3.0
映画館解禁一発目は自粛前に行きそびれていたコイツを。
奇しくも、シチュエーションに相応しい景気の良い作品で宜しかった。

対立するふたつの勢力と巻き込まれたボーイ・ミーツ・ガールによるジャンク・アクション・ムービー。
三池監督の最近の所謂「雇われ仕事」に関心しない筋も納得する仕上がり。
10年に一本の快音一振りだなぁ、と思ってフィルモグラフィー確認したら「13人の刺客」がちょうど10年前でしたねw
次もこういうのヨロシクお願いします。

汚物と鮮血混じりの泥水の中に紛れたガラス玉か宝石か。
浮世の鍋底をさらう様な物語の中に、キラリと光る演技と台詞が時折観られるのが憎い。
「どんなところにも最悪なヤツもマトモなヤツもいるもんだ」(だったかな?w)って台詞は、思想やイデオロギーで一派一絡げに、額面通りに右往左往する世相を思い起こさせられた。
自戒を含めて胸に刻んでおきたい。

あんまり日本の俳優の方のディフォルメした演技は好きじゃないので染谷くんの奮闘ぶりにはこそばゆさを感じないでもないですが、総じて女優陣の演技は各々アプローチも違って見応えある。
窪田正孝くんもカッコよかった。

ちょいと残念なのは、まんま「イコライザー」なクライマックスが、大森さんの爆笑台詞以外には、舞台立てを活かした演出になってないのと、よりがちなカメラでアクション全体が見えなくて勢い任せになってしまっていた事。
あと、褒める方多いけれど、やっぱりあそこでのアニメーション使用は冷や水を掛けられた様で個人的には拍子抜けしてしまった。
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