三角

はちどりの三角のレビュー・感想・評価

はちどり(2018年製作の映画)
-
家族経営で餅屋を営んでいる主人公の家。一連托生の感じなのに一切感情的繋がりを持てていないように見える一家。疲れ過ぎている人間と打ち解けるのは難しい、ということがかなりはっきりわかる。浮気をしているっぽい父、疲れて上の空の母、勉強せず夜遊びしている姉、妹を殴る兄、それぞれが閉ざされている。この家族、最後まで何も変わっていないのだがしかし、最後朝ごはんを食べているのを見ていると愛ある一家のように見える。何も変わってないのに…違って見えるのは映画の為した効果だと思った。

顔を知っているひとは何人もいるが心の中のことを知っている人はどれほどいるだろうか

ウニは家族の心すら知ってるとは思えてないんじゃないか…?と思った。唯一そう言えそうなのは同じ塾の友達だけど、2人の共通点は家庭不和と兄に殴られていることである。古今東西津々浦々の妹殴る兄、許せん…絶対に許せん…許さない絶対に。

はじまりが何度呼んでも家のドアをお母さんが開けてくれないシーンで(部屋を間違えていた?)途中で遠くから呼んでも気づいてくれないお母さんのシーンもあって、この、応答してくれない母についてをさまざまな人との交流で示唆していくのがこの映画の主題なのかな?と思っていたけどそうでもなかったっぽい。
映画の最後は大切な人の死がドラマチックではなく映されて終わる。人間の運命は角を曲がる気楽さで大きく変わってしまうことがある。
三角

三角