やまモン

天国にちがいないのやまモンのレビュー・感想・評価

天国にちがいない(2019年製作の映画)
3.9
【本質】

スレイマン監督自身が主人公となり、パレスチナを出て世界を放浪する。

目的は映画の売り込みなのだが、なかなか上手くいかない。

要は商業的に旨味があるものにしか、人々は関心を持たないということ。

パレスチナ問題も、お金になる部分だけが切り取られていて、問題が解決しない。
そして、一見被害者の側に立っている者が、既得権益に胡座をかいて居座り続ける。

アメリカやフランスの反応は、パレスチナ問題の暗喩なのであろうか。

この映画は監督が世界を旅することで場面が移り変わる。

それぞれの場所で色々な出来事があるが、よくよく考えたら、パレスチナでの出来事の、結局は繰り返しだったりする。

世界中で起きている様々な出来事も、根っこを辿れば大差無いということか。

そして、ほとんどセリフが無いのに何故か面白い。

この世には面白いことが実は沢山あって、本当のところ、それは言葉で説明する必要なんて無いのであろう。

故に、言葉の違いもまた物事の本質を曇らせているだけなのかもしれない。